美しくも神々しい岩塩採掘坑の地下世界 写真9点
岩塩坑ときいて、どんな場所を思い浮かべるだろう。ここで紹介する写真はすべて岩塩坑のもの。地下400メートルまで続く坑道を照らすライトが、神秘的な光景を浮かび上がらせる。その秘密がシルビナイトという岩塩とカリ岩塩の混合物だ。色合いは鮮やかで、地下に広がる絶景に驚くはずだ。
この岩塩坑は、ロシア中西部のベレズニキにある。採掘坑の壁は、複雑な模様の織物に覆われているかのようだ。シルビナイトは、オーストラリアと南極を除くすべての大陸で発見されている。鉱脈があるのは、太古の時代、海だった場所だ。
ところで、シルビナイトに含まれるカリウムは、19世紀以降、農業の肥料としても広く用いられてきた。カリウムは特定の果物の皮を厚くする。広く見れば、カリウムは農産物貿易にも貢献していると言える。マンゴーやバナナなどを、貨物船で海外から輸入できるのも、厚い皮があってこそだ。
次ページでは、シルビナイト採掘坑内の神々しい絶景と、そこで働く人々の写真を8点紹介する。
(文 Becky Little、写真 Viktor Lyagushkin、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2016年6月2日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。