ヘルスUP

日経Gooday 30+

有森裕子 走りの基本ドリルで美しいフォームを

日経Gooday

2018/5/28

走る前のドリルで、正しいフォームを体に覚えさせよう。(イラスト:内山弘隆)
日経Gooday(グッデイ)

 今回は、日々のランニング練習やレースの前にぜひ取り入れていただきたい、「走の基本」という基礎ドリルをご紹介したいと思います。これは、走るための正しいフォームや動きを体に覚えさせるための運動です。

 中学や高校の陸上競技(走る種目)の選手は、入部したての時にまず覚えさせられる動きで、走るための基本の動作になります。私も高校の陸上部に入った時に、初めて学びました。

 一般的に「走の基本」は、短距離選手が行うイメージですが[注1]、マラソンランナーでも、このドリルを走る前の習慣にすると、正しい動きを体に覚えさせることができます。何より私自身が、現役中に実践してとても役立ったドリルであり、ランニングを楽しむ多くの方にぜひお勧めしたい運動です。

[注1] 1980年代に『マック式短距離トレーニング』として、海外の陸上コーチ、ゲラルド・マック氏が広めたドリルで、日本の陸上選手の間でも取り入れられるようになった。

■毎回「走の基本」を行った方がいい2つの理由

 「走の基本」を行う目的は、大きく2つ挙げられます。1つ目は、「悪いクセが出るのを防ぐ」ことです。悪いクセが出てしまう理由として、身体的な特徴が挙げられます。例えば、私は幼い頃から股関節が硬い上に、左足首の可動域が狭かったため、着地した時に腰が沈むというか、体全体が片側に傾いてしまうクセがありました。

 そのため、前に進むためには、着地した時に沈んだ腰を持ち上げる必要があります。長い距離を走る上で、その無駄な動きは体に負担をかけるだけでなく、ケガもしやすくなります。もちろん、推進力の妨げになるのでスピードも上がりにくくなるでしょう。

 私は、この「走の基本」で腰の高さを安定させることを意識し、同時に股関節や足首の柔軟運動や、筋トレなどを組み合わせました。そうすることで、フォームのバランスの崩れは少なくなっていきました。

■フォームの基本を確認し、終盤の崩れを防ぐ

 2つ目の目的は、「マラソン終盤のフォームの崩れを防ぐ」ことです。マラソンの終盤になれば、筋肉疲労により腰の位置が落ちてきたり、上下動が大きくなったり、腕の振りが小さくなってきたりと、フォームは自然と崩れます。それを防ぐためには、長い距離を踏むトレーニングでフォームが崩れる状況を作り、その上で正しく手足を動かすことを意識することが効果的です。もちろん、長時間走っても筋肉が疲れにくいよう、体幹トレーニングで体を鍛えることも必要でしょう。

ヘルスUP新着記事

ALL CHANNEL