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6月の梅雨の季節になると、寝苦しい日々が続きます。それでなくてもストレスで睡眠不足や不眠症気味となり、仕事の効率が下がるビジネスパーソンが増えています。どう対処すればいいのか。早稲田大学研究戦略センターの枝川義邦教授に最適な睡眠をとる方法などについて聞きました。

日本人は結構、寝ている!? 平均睡眠時間は7時間40分

――よく眠れずに困っているビジネスパーソンが増えています。まず最適な睡眠時間は脳科学的には何時間なのですか。

かつて、睡眠は少なくとも「8時間」はとることが推奨されていました。経済協力開発機構(OECD)の調査では日本人の睡眠時間は28カ国で最短ながらも、7時間40分程度(2011年のデータ)と「結構寝ている」ことになっています。しかし、そこまでたっぷりと眠ることは難しいというのが実感なのではないでしょうか。

睡眠不足はヒューマンエラーの原因になるだけでなく、肥満やうつ病といった疾患にもつながるので、脳や身体に無理を生じさせないようにきちんと眠りたいものです。

睡眠のリズムに則ると、最適な睡眠時間は「1.5時間の倍数」になります。睡眠中は、深い眠りと浅い眠りをくり返していて、その1セットが約1.5時間です。そこで、その倍数の睡眠時間で眠るのが脳にも身体にも合っていて、浅い眠りのタイミングで起きようとすれば目覚めもよいことになります。

とくに寝入ってから最初の3時間は、深い睡眠の割合が多いことや起きている間に脳や身体が受けたダメージを修復してくれる成長ホルモンをはじめ、様々な生体内の因子が多く分泌されるなど、生体機能を維持するために重要な時間でもあります。ここはなんとしても確保したい時間といえます。

早大研究戦略センターの枝川義邦教授

早大研究戦略センターの枝川義邦教授

「1.5時間周期説」からすると、7.5時間睡眠がちょうど5セットを刻んだところで目覚めることになります。もちろん、ベッドに入ってから寝付くまでの時間や、すべての人が正確に1.5時間ではなく多少前後することを考えると、確かに8時間睡眠は脳や身体に合った睡眠時間のように思えます。

「8時間睡眠」は神話 本当の最適睡眠時間は…?

しかし、最近の睡眠科学の成果からは、現代人の最適な睡眠時間は7時間だということが分かってきました。英国での研究ですが、これによるとわが国でこれまで言われてきたことは、睡眠の「8時間神話」であったわけです。

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