「発汗デトックス」はウソ? やり過ぎは命の危険も

日経ナショナル ジオグラフィック社

一方、発汗デトックス産業の勢いは止まらない。最新の流行は、遠赤外線サウナだ。電気ヒーターや蒸気ではなく、遠赤外線の光を熱源とする。米総合誌「The Atlantic」の記者は、遠赤外線サウナによるデトックス効果の宣伝文句について調査したところ、すぐに実際の科学に基づいたものではないことが明らかになった。

イタリアのスパホテルでリラックスする宿泊客(PHOTOGRAPH BY BEDUSCHI CLAUDIO, AGF, UIG, GETTY IMAGES)

だが、スパやサウナのメーカーは依然としてデトックス効果を宣伝し続けている。米テキサス州とインディアナ州の消防署でも、消防隊員が煙を浴びて体内に取り込んだ化学物質を汗と一緒に排出し、がんも予防できるとして、遠赤外線サウナを購入した。サウナには鎮静作用など様々な効果はあるが、がんを予防できるという宣伝文句は科学的に実証されていない。

そればかりか、やりすぎると命取りになることさえある。

カナダのケベックで35歳の女性が、デトックス・スパトリートメントを受けた。泥パックをしてラップで包まれ、頭に段ボール箱をかぶせられ、毛布にくるまって9時間横になり汗をかき続けた。それから数時間後、熱中症により女性は死亡した。

シュワルツ氏は、次のように話す。「昔からよくあることですが、複雑な問題に単純な解決法を適用しようとした結果です。希望を持つことはとても大切ですが、一部の人間は、その希望を利用して何も知らない消費者にとんでもないものを売りつけようとするのです」

(文 Erika Engelhaupt、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年4月13日付]

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