ジャパンメイド 人気ショップ、個性競う独自スーツ
スーツにおいてもジャパンメイドの品質が、より向上している。特に、セレクトショップや百貨店が提供するオリジナルのスーツは、国内ファクトリー縫製ならではの日本人の体型に沿う作りと同時に、それぞれ異なるトレンドの捉え方や、個性あるスタイルの提案が魅力だ。
SOVEREIGN/ソブリン from : UNITED ARROWS
これ見よがしでない正統派に潜むイタリアの技術
正統派に沿いながらもモダンさが滲むのは、イタリア人技術者が長年常駐し、その技術を学んだ国内ファクトリー製ゆえ。30年以上にも及ぶその歴史を以って作られる1着は、構築的な作りに艶感のある生地を乗せるなど、まさに今どきなクラシック解釈を披露する。
BRILLA PER IL GUSTO/ブリッラ ペル イル グスト from : BEAMS(大阪産)
ナポリ然とした見た目を日本人体型に沿わせる
吸いつくような肩ののぼり然り、柔らかく体に馴染むイタリアはナポリスーツの特徴を捉えつつ、日本人体型に沿う作りが見事。縫製は、国内スーツファクトリーの雄、リングヂャケットが担う。プリーツに加えて、トレンドをいち早く捉えた生地の用意もうれしい。
LA SCALA/ラ スカーラ from : 伊勢丹
ビスポークの様な着心地を求めたどり着いた型紙
メイド・トゥ・メジャーコーナーで展開するブランド。山口信人氏による超立体的と評される型紙をベースに、東北のファクトリーでマシン縫製される。マニカカミーチャをはじめ、ビスポークに負けず劣らずな着心地を追求した、進化型メイド・トゥ・メジャーだ。
AUSTIN REED CUT/オースチン リード カット from : 阪急メンズ(大阪産)
英国クラシックを根底に日本人体型へと解釈する
1900年創業の英国テーラーブランドを阪急メンズがジャパンメイドとして独自展開。老舗ならではの正統派バンカースタイルをベースにしつつも、縫製は1931年に創業した大阪の某老舗ファクトリーにて行う。ゆえに、構築的な肩ながら着心地はストイックすぎない。
ESTNATION/エストネーション from : ESTNATION(福島産)
見栄えと軽さを両立した老舗ファクトリーの実力
イタリアンスーツの構造を研究し尽くした、国内ファクトリーで作る1着。見栄えと軽い着心地を両立させ、フルキャンバスを採用しつつも、各材料を徹底して軽量化することで実現した。なだらかにして構築感を滲ませるショルダーラインは、まさしくそれを象徴する。
CFT SUIT/シーエフティースーツ from : EDIFICE
見せるところは見せる見えないところは軽く
オリジナル開発の毛芯を採用しつつ軽い着心地を実現。丸みのある肩周りはトレンドデザインを反映する。コンフォータブルを意味するシリーズ名は伊達じゃない。ベーシックなパターンは、特定のスタイルを誇示しないが、ラペルはやや広めに設定するなど、個性も残す。
MADISON/マディソン from : BARNEYS NEW YORK
クラッシック&モダンを体現する立体的なシルエット
たっぷりとった肩のいせ込みとフル毛芯仕様で立体的な胸周りを完成。後ろ身頃の分量を小さくし、前身頃を大きくすることで、クラシックな香りは残しつつも、視覚的にモダンでシャープな印象に。前肩に設計し快適性も確保するなど、国内ファクトリーならではの巧みさが。
SHIPS/シップス from : SHIPS(大阪産)
程よい構築感を見せるコンパクトシルエット
リングヂャケットで縫製されるオリジナルから、従来よりも細身になった新ラインが登場。コンパクトな設計に加えて、薄く肩パッドを入れることで、窮屈さを感じさせない構築感を実現。軽やかさを求めた英国クラシックスタイルが旬の今、まさに理想的な1着。
STRASBURGO/ストラスブルゴ from : STRASBURGO(大阪産)
理想的な型紙があるからこそ可能なビスポーク感覚
ストラスブルゴ専属テーラー、大島崇照氏監修による正統を意識したオリジナル。パターンオーダーも可能で、フィット調整以外にも細かな変更ができ、実質的にビスポークに近い1着が得られる。着心地も軽く、ややコンケーブド気味のショルダーは構築感を匂わせる。
TAKASHIMAYA STYLE ORDER SALON/タカシマヤ スタイル オーダー サロン from : 高島屋(青森産)
世界観を楽しむことを優先した3つのスタイル
オリジナルブランドとして、生地から縫製まで国内一貫生産ながら、バリュープライスを実現。クラシコイタリアを基軸に、ネオクラシコ、ブリティッシュの3スタイルを用意し、上の002型はラペルの幅や軽快なアンコン仕立てなどナポリを意識したスタイルが特徴。
※表示価格は税抜きです。
撮影/片桐史郎(TROLLEY)、若林武志、岡田ナツ子、長尾真志、村上 健、杉山節夫、大泉省吾、田中新一郎、八田政玄、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE)、宮崎 司(CODE)、佐々木 誠 ヘアメイク/松本 順(辻事務所)、勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/伊澤一臣、宮嶋将良(POW-DER)取材・文/安藤菜穂子、酒向充英 文/長崎義紹(paragraph)、中河由起恵(paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、池田保行(04)、礒村真介 イラスト/越井 隆、谷本ヨーコ 撮影協力/七彩、新宿パークタワー、パークハイアット東京、リュド・ヴィンテージ目白
[MEN'S EX 2018年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。