電子辞書の売れ筋はカシオが上位を独占 その理由は?
入学、入社の季節に購入することの多い電子辞書。プレゼントとして購入する人も多いはずだ。そこで、ビックカメラAKIBAで電子辞書の売れ筋を調査したところ、トップ5をカシオ計算機の「エクスワード」シリーズが独占、改訂されたばかりの広辞苑を収録したモデルが特に好調だという。電子辞書では、シャープの「ブレーン」シリーズも定番だが、同店の売れ行きをブランド別でみるとエクスワードが「6~7割を占める状況が続いている」(同店スタッフの池上美寿津氏)。
広辞苑の改訂で売れ行き加速のエクスワード
エクスワードは元々売れ筋だが、10年ぶりに改訂して第七版となった広辞苑を収録したモデルもあり、例年以上に売れているという。「実は、広辞苑第七版を収録したモデルがあるのはエクスワードだけなんです。電子辞書全体の傾向とは別の追い風をはっきりと感じます」。ランキングをモデル別にみると高校生モデルを中心に、社会人向けや小学生向けが並んでおり、ユーザー層の裾野が広がっている感じがある。
一番人気は高校生向けモデルの「エクスワード XD-Z4800」。ユーザーの裾野が広がってもやはり主流は高校生向けで、大学受験まで使うことを想定して購入するケースが多いという。続く2位の「XD-Z4900」は収録コンテンツを20種類増やした高校生向けの上位バージョン。実売価格の差がわずかなことから、「せっかくだからこっちを」と選ぶ人が少なくないそうだ。
3位には生活教養モデル「エクスワード XD-Z6500」がランクインしている。こちらは辞書以外に俳句や国内外の文学作品、クラシック音楽の名フレーズなどの教養コンテンツが充実しており、30~40代のビジネスパーソンによく売れているそうだ。
「働き盛りの人にはXD-Z6500のようにさまざまなシーンで使える教養モデルか、語学学習タイプが人気ですね。ランキング外となりましたが、語学学習タイプでは英語学習モデルと中国語学習モデルが安定して売れ続けています」
中学受験向けとシリーズ最上位モデルも人気
4位は小学校高学年向けモデル「エクスワード XD-SK2800」。高校生向け以上のモデルとは異なり、コンテンツ追加機能はないが、「小学百科大辞典 きっずジャポニカ 新版」など小学生向けならではのコンテンツが充実している。
キーボード部分をひらがなタイプにした小学校低学年向けモデル「XD-SK2000」(実売価格1万4440円)もまずまずの売れ行きだが、小学校入学時にこの高学年向けモデルをプレゼントする親や祖父母が多いそうだ。「中学受験を想定して買われる方が多いです」という。
5位は「エクスワード XD-Z20000」。エクスワードシリーズ最上位モデルで、専門辞書から教養コンテンツまで200種類のコンテンツを収録している。
「長年電子辞書を使ってきた人が行き着くモデルというイメージです。購入層は40代から50代の男性が多いですね」
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット死生観」(デジモノステーション)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。
[日経トレンディネット 2018年4月10日付の記事を再構成]
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