具の食感や旨味 焼酎と
中華菜 高福
西新の裏通り、「この店をやる前は、先代より引き継ぎここで角打ちをしていました」。もともと広東料理の修業を重ねた高鍋彰さん(42)。「角打ちは居心地の良い温泉みたいなもの。このままだと料理を忘れてしまいそう」と40歳を前にして一念発起。2年続けた角打ちを閉め「高福」を構えた。
角打ち時代の客との出会いが仕入れに繋がった。熊本・人吉からはジビエ鹿肉、魚はトロ箱で、葉物は西新商店街名物リヤカー部隊や道の駅から。そして一番のこだわりは先代から受け継いだ粕(かす)取り焼酎と球磨焼酎だ。粕取り焼酎とは清酒を造る過程で出た酒粕を蒸留させたもので、酒粕の芳醇(ほうじゅん)な風味が残る。球磨焼酎とは500年以上続く人吉で造られる米焼酎のことだ。
台湾産ピータン(550円)、生海老の老酒漬け(600円)のぷるりとした甘さと味噌の旨(うま)味は球磨焼酎によく合う。鶏肉の梅肉蒸しは梅の風味がよいあんばいだ。
「通年並ぶ野菜は使いたくない。酢豚、海老チリのような定番を作りたくない」とメニューや食材へのこだわりが嬉(うれ)しい。甘すぎず、油濃くなく、具の食感、素材の味が生かされている。冬(3月末まで)と夏限定で旬の野菜、魚、羊、鳥などが食べきれないほど入った薬膳火鍋(3000円)は秀逸(2人前から)。「これからの季節、ニンニクの葉の回鍋肉が美味(おい)しいです」
(腕に色)
〈ちゅうかさいこうふく〉福岡市早良区西新5の5の4 電話092・831・5155
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