春は新たな「誕生」のシーズン。うららかな海原に浮かぶ島を訪ねて、誕生にまつわる旅に出ました。兵庫県の淡路島、沼島(ぬしま)は、「国生み神話」ゆかりの地。沼島は天地創造を思わせる迫力満点の自然景観やパワースポット、豊富な海の幸が魅力です。淡路島ではかわいさ全開、春に生まれたばかりの赤ちゃんザルにたっぷり癒やされます。
国生み神話の島、恋愛のパワースポットも
「日本書紀」「古事記」で描かれた天地創造の神話。天つ神に国造りを命じられたイザナギ、イザナミの二柱の神が天の浮き橋に立ち、天の沼矛(あまのぬぼこ)で大海原をかき回したとき、矛の先からしたたるしずくが固まってできたのが「自凝(おのころ)島」。そこに天下って最初に生んだ島が淡路島とされています。
淡路島には、イザナギが余生を過ごしたとも伝えられ、日本最古の神社といわれる「伊弉諾(いざなぎ)神宮」など、神話ゆかりの地が多数残されています。中でも伝承の地「おのころ島」の候補地とされるのが、島南部の南あわじ市灘の沖4.6キロメートルにある沼島です。
空から見た沼島は勾玉(まがたま)の形をしておりどことなく神秘的。島内には天の沼矛や天の御柱のモデルともいわれる矛形の岩「上立神岩(かみたてがみいわ)」、イザナギ、イザナミをまつる「おのころ神社」が鎮座する「おのころ山」などの見どころが点在します。上立神岩は、イザナギ・イザナミの結婚にまつわる神話や、岩の表面にハート形のくぼみがあることなどから恋愛成就のパワースポットとしても人気だとか。

