ハウステンボスに城壁都市 お客と紡ぐ「100年構想」
エイチ・アイ・エスの沢田会長兼社長(CEO)
敷地も広大なハウステンボス。城壁にぐるりと囲まれる日は?=同社提供
エイチ・アイ・エス(HIS)会長兼社長の沢田秀雄氏は、抜群のアイデアマンとして知られます。ハウステンボス(長崎県佐世保市)の復活に貢献した九州初の本格的な歌劇団やロボットがお客を迎える「変なホテル」も「やったら面白いんじゃないの?」という沢田氏の思いつきから始まりました。今回の城壁プロジェクトの話も「100年かかるかも」という遠大な構想ですが、しゃべりながらどんどん発想と夢を膨らませ、人を引き込んでいく人柄がにじみ出ています。
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今度、ハウステンボスに城壁を造ろうと思っているんですよ。ハウステンボスをぐるりと囲って中を見えないようにしてしまうんです。欧州には、城壁の中にある都市が少なくありませんよね。それをハウステンボスでやるんです。
城壁は高さ10メートルぐらいにして、その中にロボットで動く工場や植物工場など最先端の生産拠点をいっぱい造る。広大なオフィス空間やアウトレット店も設ける構想です。城壁はテーマパークの入場口のあたりから造っていきます。来客用の大型駐車場から、入場口まで50メートルほどあるから、建設にぴったりです。
城壁の入り口、つまりテーマパークの入り口には、でっかい門を造る。よく海外の映画に出てくるでしょう。門の重厚で大きな扉が「ギッギギィー」と鈍い音を立てて開く。内部に広がるテーマパークへの期待をさらにかき立てることでしょう。城壁の上は、テーマパークを一望できる遊歩道にして、散歩できるようにしたいですね。
建設費、お客さんの寄付で
建設に取りかかったら、お客さんに「将来、こうなります」と完成予想図を見せて、一緒に夢を育んでもらう。建設資金の寄付を募ります。1人5000円くらいの設定で、寄付してくれた人の名前を城壁内のプレートに刻むんです。プレートには電子チップを埋め込んで情報も記録できるようにします。「世界最大の城壁、あなたの名前を永遠に残しましょう!」とかいって宣伝する。