「ビジネスリーダーの一人として、自分がどうありたいか。それを周囲に理解してもらうにはどうするか。そのための手段として、それまで膨大だったワードローブの中身を一気に絞り込み、黒基調のカジュアルファッション主体の今のスタイルに変えることにしたのです。もともとフォーマルスーツは好きじゃなく、ネクタイはそれからはほとんどしなくなりました」

「『どうしてネクタイをしないのか』と聞かれたことが一度だけありました。そう聞いてきた方はフォルクスワーゲンのボードメンバーの方でした。ファッションが変われば、ビジネスが変わるとお考えの方もおられますが、私はファッションの変化はその人自身が変化の渦中にあるシグナルだと思っています」

■ファッションは、自らが属する組織を表現するものではない

「ファッションとはあくまで自分を表現するものに他ならない」

「買い物するのは年に2回。春と秋と決めています。ドイツで買うことが多いです。終日かけてあちこち店を見て回りはしますが、結局はいつも同じ店にたどり着きます。買う物も決まっているので、たくさんの種類を買うこともありません」

「長く服を身につけていると、どうしても生地が疲れてきます。でも、すぐにゴミ箱にポイ、ということはしません。チャリティーバザーに回し、リユースを心がけています。新しいものを新調する際は、ワードローブにまずスペースを確保してからにしています。断捨離した結果、今では自宅のワードローブすべてスーツケースに詰めこんでも、2ケースで収まる量にとどめています」

「業界によってドレスコードには少なからず差があるとは思いますよ。公務員などはやはりきっちりした格好をしている人が多い。とはいえ、その格好がその人が属している会社や組織を表現しているわけでは決してありません。ファッションが変わった結果、ビジネスが変わることはあるかもしれませんが、私はファッションとはあくまで自分を表現するものに他ならない、と思っています」

(聞き手は堀威彦)

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