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『バズリズム02』 ミュージシャンを「知的」に分析

日経エンタテインメント!

2018/2/12

 お笑い芸人のバカリズムがMCを務め、ミュージシャンの魅力を「知的」に掘り下げている音楽番組が2015年4月にスタートした『バズリズム02』(日本テレビ系)だ(17年10月にリニューアル。以前の番組名は『バズリズム』)。番組プロデューサーを務める前田直敬氏は、レコード会社に出向した経験を基に、ミュージシャン側の視点を強く意識して音楽番組に取り組んでいる。

『バズリズム02』(金曜24時59分/日本テレビ系) 2017年12月15日放送回にはディーン・フジオカが登場。バカリズムと熱いトークを交わした

 前田氏は、日本テレビに入社後、『THE夜もヒッパレ』や『FUN』といった音楽番組を担当した後、06年から3年間、日本テレビグループのレコード会社「バップ」に出向した経験を持つ。そこでA&R(アーティスト・アンド・レパートリーの略、アーティストの育成や楽曲の制作などを担当する)の職務を担当したことで、ミュージシャン側の視点を強く意識するようになったという。「ミュージシャンファーストの音楽番組でありながら、視聴率を含めテレビ的にも成立する番組を心掛けています」と語る。

 担当していた、中村正人(DREAMS COME TRUE)がMCを務める音楽番組『LIVE MONSTER』が15年3月に終了するにあたり、新番組のMCはバカリズムありきで話が進んでいたという。「脚本家としても活躍するなど知的な一面を持ち併せ、音楽への造詣も深い彼であれば、ミュージシャンに敬意を払いながらもお茶の間に彼らの魅力をしっかり届けられるのではないかと考えた」と明かす。

■コーネリアスが唯一出演

 17年6月には、バカリズムが常々ファンだと公言していたコーネリアスが、アルバムリリースのタイミングで『バズリズム02』だけに出演。歌詞やミュージックビデオの誕生秘話、そして息子の近況まで貴重な話を語った。「音楽性の部分、プライベートな一面ともにネットなどに出ていない、一次情報に迫ることを番組作りでは大切にしています」(前田氏)

 17年3月には、「和製マイケル・ジャクソン」こと三浦大知がゲストで登場。バックダンサーと動きがぴったりと合った、シンクロダンスとも呼ばれる自身の完成度の高いダンスについて解説した。その後、「シンクロダンス」「アカペラで踊るシンクロダンス」「全く音もないなかで踊るシンクロダンス」と、音数をどんどん減らして難易度を上げていくという、どこの音楽番組でも披露していない形で、1曲を歌って踊りきった。

WANIMAは17年メジャーデビューのメロコアバンド。「バズリズムLIVE」には初年度の15年から3年連続で出場。17年はMCで「来年もここに戻ってこれるように、みんなよろしく!」と叫んだ。写真:山内洋枝(PROGRESS-M)

 また、番組発の音楽フェスである「バズリズム LIVE」を15年から毎年横浜アリーナで開催しているのも特徴。17年末『NHK紅白歌合戦』に初出場したバンドのWANIMAは、3年連続で出演。彼らはもともと、ネクストブレイクを探る人気企画「コレはバズるぞランキング」で、16年度1位に選ばれていた。

 17年の「バズリズムLIVE」には、先のランキングで4位に入り、18年は初の日本武道館公演2デイズを控えるMy Hair is Badが登場。耳の早い音楽好きをも納得させるアーティストを見られる音楽フェスとして、毎回チケットは完売している。

 「『ROCKIN 'ON JAPAN』のように、『バズリズム02』を1つのブランドとして、音楽フェスなど今後もいろんなものに展開させていければ面白いなと思っています」と前田氏は、この先の展望を語る。

My Hair is Badは08年に結成、16年にメジャーデビューした3ピースバンド。初出場となった17年の「バズリズムLIVE」では、2日目のトップバッターとして堂々たる演奏を披露した。写真:山内洋枝(PROGRESS-M)

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2018年2月号の記事を再構成]

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