加湿空清機 製品トレンドは「見える化」「つながる」
空気が乾燥する冬場に欠かせないのが加湿器。その一方で、室内のハウスダストや臭い対策に不可欠なのが空気清浄機だ。リビングや寝室に置くことが多い2つのアイテムだが、別々に設置すると意外にかさばるもの。そんな不満を反映してか、この季節は加湿器と空気清浄機が一体化した加湿空気清浄機の人気が高まる。一台二役で場所をとらない加湿空気清浄機の最新トレンドを解説する。
2017年後半は、ダイキン工業(以下、ダイキン)やシャープなどが無線LANに対応した加湿空気清浄機を発表した。無線LANの搭載で、スマートフォン(スマホ)などとつながり、空気が本当にきれいになっているのかが「見える化」されたのがポイントだ。
ダイキンとシャープが一歩リード
ダイキンの「MCK70U」は、PM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子状物質)やホコリの多さ、臭いの強さを、6段階の数字と3段階の色でスマートフォン(スマホ)に表示。運転状態や室内温度、湿度も併せて確認できる。さらに、清浄終了や給水の案内をスマホに通知する。
シャープの「KI-HP100」「KI-HS70」「KI-HS50」は、クラウドのAI(人工知能)でユーザーの使い方や好みを学習する独自サービス「COCORO AIR(ココロエアー)」に対応。空気の「見える化」に加えて、同社のエアコンと「つながる」機能が特徴だ。
例えば、空気清浄機には照度センサーが搭載されているため、このセンサーが照明オフを検知すると、エアコンも自動でおやすみ運転に切り替わったり、エアコンが暖房運転を開始すると空気清浄機が自動で加湿運転を開始するなど、状況に応じて家電が自動的に連動する。
イオン機能も進化
空気清浄機能は、ファンを回して高性能フィルターでホコリなどを吸い取るタイプがほとんど。その上で各社は、パナソニックの「ナノイー」、ダイキンの「アクティブプラズマイオン」、シャープの「プラズマクラスター」のように、イオン機能で除菌・脱臭を行う。こうした機能も進化している。
シャープの「KI-HP100」は、「プラズマクラスターNEXT」を搭載、室内のイオン濃度を従来の高濃度タイプ「プラズマクラスター25000」の約2倍(約5万個/立方センチメートル)まで高めた。「ストレスがたまりにくい」「集中を維持しやすい」環境をつくれることが実験で確認されたという。
パナソニックの「F-VXP90」は、従来の「ナノイー」を進化させた「ナノイー X」を搭載。また、パネル下の開口部を大きく開き、下からの吸引力を高めたメガキャッチフォルムの採用で、床上30cmにたまりやすいハウスダストなどをしっかり吸引するのが特徴。
フィルターを自動で掃除するタイプも人気だ。フィルターは目詰まりすると集じん能力が低下するため、なるべくこまめに掃除を行う必要がある。フィルター掃除を自動で行うことで、常に高い集じん性能を維持できる。シャープ、日立アプライアンスなどが採用しており、不快なフィルター掃除を頻繁にしなくてよい。
日立アプライアンスの「EP-NVG110」は、「自動おそうじユニット」がプレフィルター表面のホコリを取り除く。背面両サイドから空気を吸い込むことで、8畳の部屋ならわずか6分で清浄するスピードも魅力だ。
(ライター 石井和美)
[日経トレンディネット 2018年1月16日付の記事を再構成]
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