明治改元150年 記念事業多数、建築好きは要チェック
1868年10月に「明治」に改元されてから150年。2018年は国や地方自治体が、「明治150年」をテーマとした事業やイベントを、数多く企画している。
自治体では、明治維新を主導した「薩長土肥」の4県(鹿児島県、山口県、高知県、佐賀県)が積極的だ。4県の知事はすでに、「平成の薩長土肥連合」を15年に結成。それぞれが博覧会を模した観光キャンペーンやイベントを予定する。例えば鹿児島県の「かごしま明治維新博」は、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」関連の展示をする「大河ドラマ館」をオープン。歴史資料センター黎明館でも、大河ドラマ関連の特別展を行う。山口県は、秋に開催する「山口ゆめ花博」を中核事業に位置づけ、会場内で150年記念式典や企画展示などを実施する。
佐幕派だった「奥羽越列藩」地域で目を引くのが福島県会津若松市。同市は今年を「戊辰150周年」と位置づけ、オペラ「白虎」公演や幕末をテーマとしたシンポジウムで、旧幕府軍と明治新政府軍が戦った戊辰戦争などの歴史的意義を問う。各地のイベントを見比べて、150年後の「勝者」を判定するのも趣深い。
明治期の古い建物の再活用も進む。国土交通省は、神奈川県大磯町に残る旧伊藤博文邸などを、「明治記念大磯邸園(仮称)」として再整備。明治期の代表的な建築である迎賓館も、ガイドツアー形式の「明治150年特別参観」を実施する。この他、北海道の赤れんが庁舎、札幌市時計台、北九州市の八幡製鉄所旧本事務所にも再整備や見学会の計画がある。これまで立ち入れなかった建物が、観光名所として生まれ変わるかもしれない。
(日経トレンディ 大橋源一郎)
[日経トレンディ2018年2月号の記事を再構成]
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