「タバコを吸わない人でも肺がんになる」ウソホント?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)腺がん
(2)扁平上皮がん
(3)小細胞がん
正解は、(1)腺がん です。
喫煙者がなりやすい肺がんは減少しているが……
肺がんは、がん細胞の組織型の特徴から、小細胞がんとそれ以外のがん(非小細胞がん)に大きく分けられます。非小細胞がんには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんの3種類があります。これら4種類の肺がんには、症状が出にくいものと出やすいものがあります。扁平上皮がんと小細胞がんは喫煙者に多く、煙の影響を受けやすい肺の入口にできます。咳、息切れ、血痰などの症状が早くから出るので、受診につながりやすいがんです。
一方、大細胞がんや、肺がんの約半数を占める腺がんは非喫煙者の割合が高く、できる場所は肺の奥です。早期から自覚症状があるのはまれで、かなり進行してから出ます。そのため、発見が遅れるのが難点です。
喫煙率の低下に伴い、喫煙者に多い扁平上皮がんは大幅に減少しています。数十年前、男性に最も多いのは扁平上皮がんでしたが、現在は男女問わず腺がんが最多です。腺がんが増えたというより、扁平上皮がんと小細胞がんが減ったために相対的に腺がんの比率が増えていると解釈した方がよいでしょう。
また、腺がんの比率が増えた理由の一つとして、順天堂大学医学部附属順天堂医院副院長・呼吸器内科学教授の高橋和久氏は「健康診断の充実」を挙げています。人間ドックのオプションに胸部CT検査が加わり、昔と比べて自覚症状のない腺がんが見つかりやすくなりました。腺がんそのものが増えたというより、以前よりも発見される数が増えているのです。
肺がん治療は、がんの種類や病期によって異なります。タバコを吸っていなくてもなる肺がんの種類があることを知り、もしものときに備えましょう。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday 2018年1月9日付記事を再構成]
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