「運悪く管理職になれなかった人」の転職アピール術
エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子
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ことしこそキャリアをもう一段アップさせたい。そうは思っても、今の会社では、「バブル世代」などが詰まっていてポストが空かず、昇進できる見通しが立たない――。そんなもどかしさを抱えている方もいるのではないだろうか。しかし、これまで管理職経験がなくても、転職によってマネジャーのポジションで迎えられることもある。そのために職務経歴書や面接で何をアピールすればよいかをお伝えしよう。
役職経験がなくても、マネジメント力は証明できる
35歳以上の方が転職活動に臨むとなると、求人企業からは「マネジメント」を期待されることが多くなります。
ところが、現在30歳代後半~40歳代の世代には、プレーヤーとして活躍して実績を上げていたとしても、管理職に昇進できていない方々が多くいます。なぜなら、上にはバブル期に大量採用された世代が詰まっていて、ポストに空きがないからです。また、組織体制上、もともと管理職のポストが少ない企業もあります。そうした理由で、管理職の肩書を持つことなく、年齢を重ねてしまったケースは珍しくないでしょう。
しかし、そうした皆さんも「マネジメント経験」を求める求人へのチャレンジをあきらめる必要はありません。役職に就いていなくても、実質的にはマネジメントの経験を積んでいる方も多いのではないでしょうか。例えば、下記のような経験です。
●チームメンバーの指導、育成を行った
●社内勉強会や社内イベントの幹事を務め、運営や進行を仕切った
●多人数が参加する会議のファシリテーターを務めた
こうした経験をしてきた方は、企画から実行まで、スケジュールを管理し、さまざまな立場の関係者と調整を図ってとりまとめてきたことと思います。これも立派な「マネジメント経験」といえます。それが認められれば、管理職・管理職候補として採用される可能性は十分あります。
ただし、「こういうことをしました」だけでは、相手企業に伝わりません。
「どんな目的意識を持っていたか」「どんな工夫をしたか」「どんな成果を上げたか」「それによってどんなノウハウ、スキルを得たか」まで、整理することが大切。それを職務経歴書や面接でアピールしましょう。「役職経験はないものの、マネジメントの素養、実力を備えていそうだ」という評価につながります。
社外活動でのマネジメント経験も評価の対象に
ビジネス上でのマネジメント経験が乏しい場合でも、プライベートの活動でのマネジメント経験をアピールする手もあります。