フリマアプリで断捨離 ニーズ探り、時期を見極める

家の片付けをすると不用なモノが続々と出てくる。だが、単純に処分するのは惜しい。インターネット上のフリーマーケットや買い取りサービスを使ってお金に換えるときの秘訣を、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞いた。
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「今の50代は若い頃にモノをたくさん買った世代で、家が物置化している人が多い。子どもが巣立った後、またモノを増やす人もいる」と、節約アドバイザーの丸山晴美さんは話す。
クローゼットに眠っていた服や本棚を占領していた本、しまい込んでいた子供のおもちゃやゲームソフト。これらは価値があるうちに処分したほうがいい。売る方法としては2つの選択肢がある。
丸山さんは「まとめて処分し、即日すっきりしたいときは買い取りサービス。多少時間がかかってもできるだけ高く売りたいときは、フリマアプリを使うといい」と話す。
大量の品物が毎日アップ
フリマアプリは、出品するのが簡単で、自分で価格設定をできるのがメリット。ただし、毎日、大量の品物が新たにアップロードされるサイトで購入者の目に留まるためには、手間と工夫が必要だ。基本的にはスマホで「メルカリ」「ラクマ」などのアプリをインストールして、住所や入金方法などを登録。あとは売りたい商品を撮影し、商品情報や価格を入力していくことになる。
品物の写真をきれいに撮り、問い合わせに対するレスポンスを早めるのが、高く売るためのポイント。忘れてはいけないのが買い手のニーズを探るマーケティングだ。「フリマアプリを使う人たちの中心は20~30代。この世代が買うか、いくらぐらいなら売れるかをリサーチすることが大切。自分の子に意見を聞いてもいい」と丸山さん。作業自体を任せてしまう手もある。
丸山さんによると、グッチやエルメスなどのブランド品、レゴやプラレールなど、定番のおもちゃや知育玩具はニーズが高いという。パソコンやスマホ(SIMカードは外す)などのデジタル機器は、壊れていてもジャンク品として売れる可能性がある。
買い取りなら一気に処分
不用品処理でより簡単なのは、一気に処分が可能な買い取りサービスだ。店頭に持ち込んでも、箱に詰めて送っても、すぐに査定されてお金になる、という手軽さが魅力。ただし「服の場合はまとめて"はかり買い"になることもあるなど、価格が低くなることは否めない」という。そしてこのサービスを利用するには「時期」が大切だ。
1つ目のポイントは、大掃除の時期は買い取り業者にとっても繁忙期ということ。「不用品を抱えた人が集中してやって来る。査定に時間がかかったり、品数が増える分、買い取りが低く抑えられたりすることがある」という。季節の変わり目や年度末など大掃除の時期なら、早めに持ち込むのが得策だ。
2つ目のポイントは、服やレジャー用品などシーズン性のあるものは、そのシーズンでないと売れないということ。例えば冬に夏物の服や水着、スポーツ・アウトドア用品を持ち込んでも、買い取ってもらえなかったり、買いたたかれたりする。一般の店舗で売られている新品と同じで、そのシーズンが始まる少し前に持ち込むのがベストと言えるだろう。
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結果に一喜一憂、梱包に四苦八苦

フリマアプリのメルカリで実際にモノを売ってみた。グッチやエルメスならともかく、ジョルジオ・アルマーニはバブルの香りがする。今、どの程度売れるのだろう。
家の中の売れそうなモノも物色し、何点か出品した。すると30分たたないうちに、「知育玩具が購入されました」というメールが届いて、驚いた。売れないと思っていたラジカセも、翌日には売れた。
意外だったのは、コーチのバッグ。使い古されてスレ傷もあるから、正直「絶対売れない」と思っていたが、夜に出品し、翌朝には取引が成立した。ただし「着払いなので、価格の安いゆうパケットで送って」と言われて、梱包に1時間を費やしてしまった。
タケオキクチのバッグには「底を見たいので画像を送って」など出品直後から問い合わせが来た。だが、肝心のアルマーニは売れなかった。次のブームに期待しよう。
(日経おとなのOFF12月号より再構成 文・柳本 操)
[日本経済新聞夕刊2018年1月6日付]
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