カメラの温故知新。by Takanori Nakamura Volume 7

筆者が愛用する温故知新のカメラ。スウェーデンの老舗メーカー、ハッセルブラッドのLunarと、フォクトレンダーのSNAPSHOT-SKOPAR25mmF4。いわゆるミラーレス一眼とクラシック・レンズの組み合わせ。クラシックの設計とレトロな風貌を飄々と装うが、カメラもレンズも中身は日本の最先端の工学技術で武装している

カメラ用の“オールド・レンズ”が世界的なブームになっている。フィルム・カメラのために製造販売されていた古いレンズを、業界用語でオールド・レンズというそうだ。もちろん、これは和製英語である。中古車が old car ではなくて used car というように、英語圏では狙った意味に通じないだろう。

ところが困ったことに、 used lens ではデジカメ用も含め、全ての中古レンズが対象になるから文脈通りではない。むしろ、クラシック・レンズという言い方が、より近い気がする。愛好家が使うオールド・レンズという言葉の中には、クラシックなレンズ設計を珍重する空気を感じるからだ。

文=中村孝則 写真=藤田一浩 スタイリング=石川英治

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■デジタル全盛の時代に、フィルム用レンズ人気のなぜ

クラシックな世界であるからこそ、往年のフィルム・カメラのレンズには、相応の歴史もマニアックな味わい方もあるし、銘品と呼ばれるような傑作レンズも生まれた。いわゆる歴史的な銘品のレンズを、マニアたちは“銘玉”と称し、珍重してきたストーリーもある。

ライカであればズミクロンやズミルックス、エルマリートあたりは垂ぜんの的だった。個人的にはカールツァイスのへこみウルトロンなんて、最高の銘玉だと思うのだが……。

デジタル全盛の時代に、なぜフィルム用のレンズが人気なのだろうか?

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