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チーズタッカルビ 新大久保発「韓流」の新たなブーム

2018/1/11

2017年に女子高生の間でもっとも流行った食べ物をご存じだろうか。スイーツか何かと思いきや、答えは韓国料理の「チーズタッカルビ」。これは鶏肉と野菜を甘辛い味つけでいためた韓国・春川の郷土料理「タッカルビ」にチーズをトッピングしたもの。

女子中・高生の間で流行した言葉を決める「JCJK流行語大賞」(JCは女子中学生、 JKは女子高生の意)なるものがあり、その「モノ部門」で選ばれたのがこの料理だった。チーズタッカルビを求めて東京のコリアンタウン・新大久保に女子高生が大挙して訪れているという。ちなみに、2017年「今年の一皿」の急上昇ワード賞にも「チーズタッカルビ」が選ばれている。

実際にJR新大久保駅を降り立ってみると、平日の昼間だというのに街は人であふれていた。韓国ドラマ「冬のソナタ」がブームになった2004年ごろからこの街には韓流好きの女性が訪れるようになった。当時は年配の女性が多かったように思うが、いまは10~20歳代の女性が圧倒的に多い。通りにずらりと並ぶ韓国料理店がどの店も「チーズタッカルビ」の看板を大きく掲げていることにも驚く。

チーズタッカルビ・ブームの火付け役といわれる新大久保の「市場(シジャン)タッカルビ」

ブームの火付け役といわれる「市場(シジャン)タッカルビ」を訪れた。ランチタイムが終わるころだったが、店の前にはまだ10人ほどが行列していた。

「ランチでだいたい2時間、夜だと3時間待ちです。土日ですと4時間待ちのこともあります」というのは同店の姜光植さん。

今でこそ通りは人がいっぱいでどの店もにぎわっているが、実は2012年ごろから2016年前半にかけて新大久保の街は閑散としていたという。

「竹島問題をきっかけに嫌韓感情が高まり、客足が遠のいてしまったんです。新大久保駅の乗降客数も韓流ブームで盛り上がったころに比べると半分に。飲食店も半分くらいが撤退しましたね。ここもランチタイムには誰もお客さんが入らないような、赤字続きのお店でした」(姜さん)

姜さんはこれまで韓国の外食産業で長く働いており、この状態をテコ入れするため2015年の秋にこの店に入った。

「なぜお店に人が入らないのかを分析してみると、このあたりの韓国料理店はメニューも値段もほぼ一緒。味もそこそこ。これでは生き残れないと思いました。これをなんとかするには若い女性にもっと来ていただくこと。それには視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の五感を開いてもらって、おいしい、楽しいお店にすることだと考えたんです」

具体的なメニューを考えるに当たり注目したのは店の倉庫に眠っていた大量の鉄板。韓国料理には網で焼くものや鍋料理などいろいろあるが、鉄板で焼けるものは限られている。そんなことから自然に決まったのが「タッカルビ」だった。

「タッ」とは韓国語で「鶏」、「カルビ」は「あばら骨」「骨付きあばら肉」のこと。実際にはあばら肉ではなく「もも肉」を使うことが多く、要するに「骨のまわりのおいしい鶏肉を食べる料理」ということになろうか。

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