「大人の青春映画だなと思いました。初めはゆる~っとした時間が続いて、それはそれで面白いんですけど、途中で嘘をつき始めてから、物語が盛り上がっていくところのスピード感がすごい。大人たちの『本気の嘘』を見て私も笑っちゃいましたし、みなさんにも楽しんでいただけたらと思います」
テレビを見ながら、地味に編み物しています
『嘘八百』のいまりをはじめ、『花戦さ』(17年)での天才絵師や、『リバーズ・エッジ』(18年2月16日公開)での狂気を秘めた女子高生など、エキセントリックな役柄を演じることが多い森川さん。一方、17年の主演映画『恋と嘘』では、三角関係に揺れるごく普通の女子高生を演じ、演技の幅広さを見せつけた。
「『恋と嘘』は、大変でした。普通の素直な女の子だったので、『普通って何だろう?』と、すごく悩みました(笑)。いまりちゃんのようにこじらせちゃってる女の子はやっていて楽しいんですけど、そういう変わり者の役ばかりになってもいけない。『恋と嘘』みたいなまっすぐな女の子も、どっちもできる役者でありたいです」
「素顔の森川さんはどっち?」と聞くと「こじらせ系です」と笑う。
「もう全体的に、こじらせてます(笑)。大勢の人とご飯に行くとすぐに帰りたくなっちゃうし、あんまり人と会いたくないなと思って、スマホから連絡先を消してしまったり(笑)。
だから休みの日は、ほとんど家にいますね。家では適当にテレビを見ながら、編み物をしていることが多いです。編み物はもともと好きだったんですけど、『リバーズ・エッジ』の役作りでちゃんと練習したら、さらに好きになりました。

編み物の好きなところは、地味なところです(笑)。単純作業の繰り返しで、何にも考えなくていいっていうのが幸せ。無心になると、リフレッシュにもつながります。つい最近、靴下を編み終わって、家で履いていて。最近はマフラーを編んでます。
今、欲しいものですか? ……ないかな。お店に行って、ハッ!として、『これ、欲しい!』と思うタイプなので。そういうトキメキが好きなのかもしれませんね、お買い物の」

1995年生まれ、愛知県出身。10年に雑誌「Seventeen」の専属モデルとしてデビュー。12年に女優デビュー。主な出演映画に『渇き。』(14年)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16年)、『恋と嘘』(17年)など。ドラマに『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(16年)、『プリンセスメゾン』(16年)、『先に生まれただけの僕』(17年)などがある。18年は1月期のドラマ『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日)、『賭ケグルイ』(TBS)に出演。映画『リバーズ・エッジ』『OVER DRIVE』の公開が控える。
『嘘八百』

目利きだが空振りばかりの古物商が、娘とともに茶の湯の聖地・大阪の堺へやってきた。そこで出会ったのは、贋作(がんさく)作りに手を染めて、落ちぶれた陶芸家。ともに大御所鑑定士に人生を狂わされたことを知った2人は、幻の利休の茶器を仕立て、鑑定士への仕返しついでに一獲千金を狙う……。監督・武正晴 脚本・足立紳、今井雅子 出演・中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田利夫、木下ほうか、塚地武雅、桂雀々、寺田農、芦屋小雁、近藤正臣 2018年1月5日(土)全国ロードショー
(文 泊貴洋、写真 藤本和史)