月と週を一度に見られる手帳も スマホにない機能続々
納富廉邦のステーショナリー進化形 歴史から始める手帳選び(下)
スマートフォン(スマホ)が普及した今も、利用者が多い紙の手帳。日本能率協会マネジメントセンターが行った調査によると、「予定・行事記録で使用するメインツール」はスマホを抑え、「手帳」がトップだった。「クオバディスとほぼ日、手帳好き日本人が支持する理由」では、「バーチカル型」「デイリー型」「マンスリー型」が支持される理由の紹介とそれぞれの最新製品を解説したが、今回はスマホでは実現されていない機能を持つ手帳を紹介する。
マンスリーとウイークリーが同時に見られる
近年の手帳のトレンドとしてあげられるのは「複数のフォーマットを同時に見ることができる」タイプ。画面サイズが限られたスマホでは難しい機能だ。
グリーティングライフの「モーメント」はマンスリーとウイークリーを同時に参照できる。左ページの下に右ページを差し込むことで、常に左ページにはマンスリーページが、右ページはウイークリーページが表示される構造になっているのだ。文章だけではイメージがつかみづらいかもしれないので動画で撮影してみた。構造が分かるだろうか。
仕事の進捗などを管理するガントチャートをマンスリーと同時に開くことができるのが、アートプリントジャパンの「G.B.Planner」。左に月間スケジュール、右ページはさらに開いてガントチャートになるので、スケジュールと同時に達成率や進捗状況も管理できる。
デジタルではできない「ゆるい」フォーマット
「紙」だからできるタイプの手帳が増えてきているのも一つのトレンドだ。
シヤチハタの「オピニ スケジュールノート」は、3つに分けられた1日を好きなルールで使うという「ざっくりバーチカル」を採用。どこに何を書けという決まりのない「ゆるい」フォーマットも、デジタルではうまく機能しない、紙だからこその強みだろう。
またコクヨの「キャンパスダイアリー(マンスリー・卓上タイプ)」のような机の上ではカレンダーだが、持ち歩いて手帳的にも使える製品が増えてきた。いちいち予定を書き写す必要がないのがポイント。これも、スマホでは実現が難しい機能を持つ手帳ということができるだろう。
大和出版印刷の「グラフィーロ ダイアリー」シリーズは万年筆で書くことに特化して作られた手帳。手書きの書き心地を楽しめるのは紙の手帳ならではの魅力だ。
月と週を一度に見られる手帳も スマホにない機能続々
クオバディスとほぼ日、手帳好き日本人が支持する理由
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(文具ライター 納富廉邦)
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