タキシード着用を意味するブラックタイは、イブニングコート着用時のホワイトタイに次いで格式の高い装いとなる。着る機会こそ少ないものの、紳士なら一着は揃えておきたいものだ。街角の「ファッション上級者」たちはどのように着こなしているのか――。ファッション専門家の青柳光則氏が「お洒落道場」の師範役となり、東京・赤坂のパーティー会場で紳士たちの着こなしを吟味した。判定基準は「いかに自分らしく着ているか」だ。
「お洒落道場」師範代 青柳光則
ファッション誌の編集部を経て独立後34年。雑誌のファッションページをはじめ、アパレル流通関係の広告やカタログの企画・構成、スタイリング、執筆など幅広く活動中。
【免許皆伝】洒落た意匠 Vゾーンにグレー
中西 章仁さん 44歳 会社役員/遠藤 理恵さん
「ショールカラーはタキシードの王道だが、セオリー通りの着こなしでまとめると没個性的になりがち。そこでシャツを白からグレーに。黒のタキシードにしっくりと馴染みますね」
タキシード、蝶タイ/以上ザ・トリート・ドレッシングで購入、シャツ/ブラックレーベル・クレストブリッジ、靴/スコッチグレイン。
【免許皆伝】一分の隙もないトラディショナルの正装
太田 博久さん 60歳 会社役員
「映画『炎のランナー』で学んだというスタイル。これぞ太田さんの真骨頂」
タキシード/ブリストルテーラーのオーダー製、シャツ、スタッズ、チーフ/以上ブルックス ブラザーズ、蝶タイ/ポール・スチュアート、靴/クロケット&ジョーンズ、メガネ/ザ・スペクタルズ、ブートニエール/青山フラワーマーケット製。
【免許皆伝】赤をポイントにクラシックをラジカルに
実原 史明さん 53歳 会社員
「クラシックな小物使いと、赤をキーカラーにした愉しい着こなし。とはいえ基本はキチッと。正に大人の余裕」
タキシード/ハンツマン、シャツ/トゥモローランド、カマーバンド/カインドウエアリンクスで購入、蝶タイ/アンティーク、靴/クロケット&ジョーンズ、帽子/クリスティーズ、メガネ/1930年のフィンチ。