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鈴木ともみの気になるハナシ

香取慎吾さん 脱退後の活躍に見る「非連続の成長」

2017/12/1

持続的(連続性のある)イノベーションは、顧客の顕在化したニーズを満たすために製品(商品)の性能を向上させ、市場を拡大させるとされています。一方で、破壊的(非連続の)イノベーションは非連続性を持っており、顧客の潜在的なニーズを満たすとされています。

■連続的な成長の努力が非連続な成長を生む

こうした「連続/非連続」という概念は企業のみならず、ビジネスパーソンである私たち一人ひとりの成長にも通じるものがあります。まずは、日々、情報や知識を習得しながら経験を重ね、人脈を広げるなど持続的に努力していけば、ビジネスパーソンとして一定の成長を遂げることができます。これは連続的な成長であるといえるでしょう。

ですが、何事もある程度のレベルに達すると、成長が鈍ってきてしまいます。これまでと同じような努力を続けても、閉塞感のなかで戸惑う状況に遭遇してしまうのです。

そんなとき、努力を続けながらも別の視点を取り入れたり、新たなチャレンジを加えたり、環境を変化させたりするなかで、ふと一気に新境地が開ける瞬間が生まれます。

例えば、皆さんのなかでも仕事で必要なスキルの鍛錬を重ねていくうちに、いつのまにか技術面でそのスキルが向上し、いざという場面でこれまで失敗続きだった壁を乗り越えられた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。その瞬間、自身のなかに非連続の成長を感じることができたことでしょう。

また、意識やモチベーションにおいても、惰性的に過ごすことをやめたときから、自分の中に新たな変化や成長を感じたという経験をお持ちの方もいらっしゃることと思います。

ネットの世界でイキイキと活躍している香取さんは、まさに今、その「非連続の成長」の真っただ中にいるように感じます。SMAPは常にアイドルとして新しい挑戦を続けてきたグループでした。ある意味で本来の姿を取り戻したといえるのかもしれません。

以前、香取さんが出演した映画『座頭市 THE LAST』(2010年)を監督した阪本順治氏にインタビュー取材しました。阪本監督は香取さんについて、次のようなエピソードを明かしてくださいました。

「香取くんに『忙しすぎて自分を商品のように感じることはない?』と尋ねたら、彼は『愛される商品ならいいんじゃないですか?』と答えたんです。徹底してるなぁと感心しました」

この言葉からも分かる通り、愛される商品として徹底的に世の中のニーズに応えようと努力してきた香取さんだからこそ、連続的な成長の後に、非連続の成長を遂げることができているのかもしれません。

私自身も香取さんを手本に「非連続の成長」を意識しながら日々、前進していきたいと感じている師走の始まりです。

鈴木ともみ
経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー。日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。TV、ラジオ、各種シンポジウムへの出演の他、雑誌やWeb(ニュースサイト)にてコラムを連載。主な著書に『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。株式市況番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重TV・ストックボイス)キャスターとしても活動中。

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