ランニングシューズ市場をけん引するのが国内スポーツメーカー最大手のアシックスだ。2017年2月、これまでで最軽量となるミッドソールを使ったランニングシューズ「フライトフォームファスト」シリーズを立ち上げた。
「アシックス史上最高のシューズ」。同社プロダクトマーチャンダイジング統括部の横山順一部長は強調する。
■軽量性と安定性、耐久性を向上
ミッドソールに使ったフライトフォームは、従来の素材よりも55%軽量にした。ミッドソール素材に繊維を添加して強度を引き上げ、従来よりも少ない素材で耐久性を維持させるとともに軽量化を実現したという。アシックススポーツ工学研究所で300以上の試作を繰り返し、約3年の研究期間を費やして完成させたという。
靴底にもみ殻を添加して濡(ぬ)れた地面でもグリップ力を発揮するタイプと、かかと回りなどを強化した「ダイナミックデュオマックス」構造を使用して足元を安定させたタイプの2種類を発売した。シリーズの特徴として、軽量性と安定性、耐久性を向上させ、ランナーのケガを防ぎやすい点も打ち出している。
「中級ランナーの力を引き出せる」(横山部長)。利用者がランニングタイムを伸ばすのを後押しすることでランニングの楽しさを高め、ランナー人口の維持拡大につなげていく考えだ。
宇都宮想が担当します。
[日経産業新聞 2017年3月27日付を再構成]
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