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「理想は100年前の英国靴」 注文の過半は海外から ビスポーク靴職人 福田洋平氏

2017/10/19

「足元を見ればその人となりが分かる」とすらいわれるように、靴は身だしなみの重要なアイテムだ。半面、足のかたちは十人十色なので、既製靴で自分にピッタリの一足を見つけることはなかなか難しい。より快適な履き心地を求めて、ビスポーク(オーダーメード)の靴を購入する人々も増えてきている。英国で靴作りを学び、修業を積んだ福田洋平氏は、日本を代表する靴職人の一人。海外からの注文も多い。




――日本人がビスポーク靴を身近に知るきっかけの1つは「南仏プロヴァンスの12か月」で知られる英国人作家、ピーター・メイルのエッセーだといわれます。福田さんは英国での語学留学中にシューメーカー(靴職人)への道を決めたそうですね。

福田氏は100年前につくられた靴に魅せられ、靴職人の道を選んだ(東京・北青山にある工房)

「2000年、20歳の時に英国中部のノーサンプトンで靴博物館を訪ねたのがきっかけでした。ノーサンプトンは高級靴関連の産業が集積している地域です。展示してあった黒いストレートチップ(つま先の革の切り替えが一文字飾りになったデザイン)の革靴を見て心を奪われました」

「1900年代初頭に製作されたその靴は極めてオーソドックスなスタイルですが力強く、美しさが全く衰えていなかった。私はその完成度に感動してシューメーカーになることを決心しました」

「ノーサンプトンの公的な靴職業訓練校『トレシャムインスティテュート』に入学して2年間靴作りのノウハウを学びました。『ハンドソーンウエルテッド製法』と呼ぶ英国伝統の手作り技術です」

注文から完成まで2年間、待たなければ「Yohei Fukuda」のビスポーク靴は手に入らない

「学生は15人くらい。意外にも英国人は少なく、中国人やスイス人、ブラジル人など多くの国から来ていました。卒業後は自国に戻るばかりではなく、そのまま英国で靴作りに携わるケースも多かったです」

「学校では最初の1年で靴のパターンやクリッキング(革の裁断)、クロージング(ミシンの縫製)など基本を学びました。革は天然の素材ですから一枚一枚、作業が異なります。2年目はビスポークを中心に勉強しました」

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