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私のモノ語り

2017/10/6

私のモノ語り

亀本 「『Manlay Sound M-200』を手に入れたのは確か今年の6月くらいです。アルバム『BIZARRE CARNIVAL』のレコーディングでお世話になったローディー(楽器周りのサポート をする人)さんが教えてくれたんですが、その人はデビッド・ボウイのファン。特に、ミック・ロンソンがギタリストをしていたころが好きで、その時代の音を再現する機材をたくさん持っているんです。

機材の話になると、とたんに瞳を輝かせる亀本さん

ミック・ロンソンが愛用していた伝説のアンプに『マーシャル・メジャー』というのがあって、ロンソンは愛情込めて『The Pig』って呼んでいたそうです。ただ、それはすごくレアで市場にほとんど出回らない。もし出たとしても数百万もの値段が付く超お宝なんです。

レコーディングで、その音に近づけたというアンプを使ったんですが、その音が気に入って、そのローディーさんに「手に入れられませんか」と相談しました。でも、それを日本で入手するのは困難だと分かり、他のメーカー品がないかと探していたときに見つけたのが『Manlay Sound M-200』です」

機材の話となると瞳を輝かせる亀本さん。まるでお気に入りのおもちゃを手に入れた少年のような純粋さで熱弁をふるってくれた。

Manlay Sound M-200

亀本 「すぐ御茶ノ水の楽器店街に行きました。試奏して音を確かめたいですからね。僕はオリジナルの『The Pig』を実際に聴いたことがないから比較できないけど、『Manlay Sound M-200』の音はすごく気に入っています。スペインのメーカーで、デビッド・ボウイマニアの職人さんがほぼ1人で手作りしているような製品です。

欠点は、使い勝手の悪さ(笑)。つまみで細かな調整ができない。普通は歪みのつまみを上げれば、歪みだけを強くできます。3つのつまみがあれば、音のトーンやボリュームなどそれぞれ調整できるのが一般的です。なのに、このペダルは3つのつまみ全部が歪み(笑)。3つのつまみをいじることで、低音や高音域、全体などの多彩な歪みを調整できるのはいいけど、音の大小が変えられないし、細かな調整ができないから扱いが難しい」

自分でギターを弾く松尾さんも「確かに使いづらそう」と苦笑い

松尾 「それは確かに使いづらそう(笑)」

亀本 「だけど、音がいい。『The Pig』は知らなくても、他のマーシャルのアンプはたくさん使っているので、これがマーシャルっぽい音なのは分かります。アルバムでは、最後の方に録音した『白昼夢』という曲でスタジオに持って行きましたが、マーシャル風の歪みが必要ない曲なので使えませんでした(笑)」

松尾 「『ビートニクス』はどう?」

亀本 「あ! その曲では使っています。ぜひ、歪みにも注目して聴いてほしいですね。この夏からずっと気に入ってフェスなどでも使っています。頻繁に使っているせいか、ちょっとガタがきてて……」

松尾 「(触ってみて)うん、これはやばいかも(笑)」

ニューアルバムの『BIZARRE CARNIVAL』はこれまで以上にサイケデリックな雰囲気で往年のロックファンの心に刺さる
GLIM SPANKY
BIZARRE CARNIVAL
 オーセンティックなロックを継承しつつ21世紀的な感覚も持ち合わせる男女ロックユニット。メンバーは松尾レミ(1991年生まれ ボーカル/ギター)と亀本寛貴(1990年生まれ ギター)で、ともに長野県出身。2014年にミニアルバム「焦燥」でデビュー。映画「ONE PIECE FILM GOLD」の主題歌「怒りをくれよ」を収録する2ndアルバム「Next One」(16年)はiTunesロックアルバムチャートで1位に。2017年10月14日からはニューアルバム「BIZARRE CARNIVAL」を携えた全国19か所を回るツアーが開幕。2018年には香港と台湾でのワンマンライブも決まっている。

(文 橘川有子、写真 吉村永)

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