少しのご飯もおいしく炊ける 小型の高機能炊飯器3選

最近、小容量タイプの高級炊飯器が増えている
最近、小容量タイプの高級炊飯器が増えている

新米の季節がやってきた。みずみずしい新米はいつもの炊飯器で炊いてもおいしく感じるもの。だが、高級炊飯器を使えば、甘み、うまみをさらに引き出してくれる。今回は、そんな高級炊飯器の中でも、年々需要が高まっている小容量タイプを紹介しよう。少量のご飯でもおいしく炊けるのが特徴だ。

炊飯器は「大は小を兼ねない」

家庭で使われている炊飯器の容量は、主に5.5合炊きタイプだ。その需要に合わせ、各メーカーでも5.5合炊きを中心に、IH式や圧力式にしたり、独自の技術を搭載したりと高機能化を進めてきた。

その半面、単身~2人世帯が使用することが多い3合前後の小容量タイプはあまり進化せず、高級モデルに用いられる「IH式」ではなく、価格が安く炊き上がりが硬めの「マイコン式」が長らく中心だった。つまりおいしいごはんを食べたいなら、たとえ2人以下世帯であっても、5.5合炊きを選ばざるを得なかったのだ。

しかし、5.5合炊きで0.5合や1合など少量炊くと、加熱の加減が難しくなるため、いつものようにおいしく炊けない場合もある。そこで多めに炊いて冷凍する、保温して朝と晩に食べるという人も少なくない。冷凍したご飯は炊きたてのようにはおいしくない。炊飯器は「大は小を兼ねない」のだ。

2人以下世帯はますます増加している。2016年の国民生活基礎調査によると、全世帯のうち2人以下世帯が占める割合は、6割近くに上る。その一方で最近は、食にこだわるシングルや共働きの夫婦2人世帯も増えてきた。「その都度、炊きたてのおいしいご飯が食べたい」と声が増えたことから、各メーカーも小容量タイプの高級炊飯器の開発に力を入れ始めている。

実際、小容量タイプの売り上げは、右肩上がりで伸びている。調査会社GfK(東京・中野)によると、2012~2016年の全国有力家電量販店における販売実績は、炊飯器全体の売り上げが横ばいであるのに対し、4合未満が占める割合は21%から28%とアップ。さらに税抜き平均価格も前年比で7%上がっていることからも、高級志向が見て取れる。

少しの量のご飯をおいしく炊ける、最新の小容量タイプの高級炊飯器にはどんなモデルがあるのか。17年に発売されたパナソニック、象印マホービン、三菱電機の各メーカーごとに、特徴をチェックしていこう。

新機能で甘み、ねばりがアップ/パナソニック

和の趣を感じさせるデザインの「SR-JW057」。「シャインブラック」と「豊穣ホワイト」の2色がある。実勢価格7万6000円(税込み。価格は2017年10月6日、家電量販店ネットショップで確認)

パナソニックの炊飯器の特徴は「Wおどり炊き」。釜底と底側面のIHコイルの通電を高速で切り替えて熱対流を発生させる「大火力おどり炊き」と、加圧・減圧を繰り返して米を釜底から対流させる「可変圧力おどり炊き」により、米を大きくおどらせることで、1粒1粒に均一に熱を伝えるという独自技術を採用している。

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伝統工芸の南部鉄器を搭載/象印マホービン