「お嬢様学校には違和感」 女子御三家、雙葉生の今雙葉中学・高校の和田紀代子校長に聞く

雙葉中学・高校の和田紀代子校長

フランス語の学習を重視しているのも特徴だ。フランスの修道会が母体のため、中学3年生は仏語が必修。高校生になっても、第1外国語として1学年の10%弱が仏語を履修し、大学受験にも臨む。仏語で東大を受験する生徒もいる。ただ、2020年には大学入試改革が実施される。和田校長は「英語にはスピーキングテストを課すといわれますが、仏語のテストがどう変わるのかまだ分からないので心配です」と話す。

数学など理系科目の授業にも熱心だ。和田校長は数学教師として40年間教壇に立ったが、「数学は授業前の休憩時間のうちに問題の解答を黒板に書いておくように指導してきました。黒板は前だけではなく横にもあります。2枚の黒板が問題で埋まり、効率よく授業を進められます」という。

成績順位は公表しない

女子校としては全国有数の進学校だが、成績順位は公表しない。数学などは標準、基礎といったようにコース分けしているが、成績をベースにした能力別クラスは編成していない。「人間の価値を数字で判断しないためです。成績トップの生徒は、鼻が高くなるし、逆にトップを守ろうと精神的に追い込まれることもあるでしょう。一方で下位の生徒はあきらめてしまうかもしれません」。順位を非公表として無理に他人との競争をあおらないのが雙葉らしさでもある。「バリバリの受験校だけど、休んでいる生徒のノートをとってあげるとか、性格のいい子が多かった。これも『隣人愛』ですかね」(雙葉OB)という。他人に優しく、親切にするというのが雙葉生のモットーだ。

卒業生には研究者タイプが多いが、子育てと仕事を両立する人も少なくないという。職業も研究者のほか、医師や弁護士、芸能人など多様だ。アナウンサーの高橋真麻さんや、お笑いタレントのいとうあさこさんもいる。

芥川賞作家の川上弘美さんもOGだが、最近ではノートルダム清心学園の理事長だったシスター、渡辺和子さんが印象的な存在だ。16年に89歳で亡くなったが、著書の「置かれた場所で咲きなさい」は大ベストセラーになった。かつての雙葉生の生き方を思わせる深みのある言葉だ。

女子御三家の桜蔭や女子学院と覇を競う雙葉。「コツコツ努力家」の桜蔭生、「自由で自立型」の女子学院生とはひと味違う。上品なお嬢様学校というイメージだったが、校内からは「ファイトー」という大きな声が何度も聞こえてきた。

(代慶達也)

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