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東大よりオックスフォード 挑む都立国際19人の新鋭 都立国際高校の荻野勉校長に聞く

2017/9/10

東京都目黒区の駒場にある都立国際高校

 英語力では公立高校ナンバーワンとも評される都立国際高校(東京・目黒)。2015年に全国の公立高で初の国際バカレロア(IB)ディプロマ・プログラム校の認定を受けて、いよいよ海外トップ大学の入学資格取得に初挑戦する。都市圏ではインターナショナルスクールに通う生徒は増えているが、課題は高い授業料。公立高から海外の有力大への道が開かれ、グローバル人材育成の先駆けとなるのか。駒場にある国際高を訪ねた。

■IBコースの生徒19人が海外大に初挑戦

 「ハーロー。日焼けしたね」。東京大学の駒場キャンパスから徒歩10分のところにある国際高。訪れた8月末はまだ夏休み中だったが、文化祭の準備もあり、多くの生徒が学校に集まっていた。茶パツや紫色に髪を染めた生徒のほか、黒人や黒い無地の布を頭にかぶったマレーシア出身の女子生徒もおり、明るい雰囲気。英語で冗談を言い合い、まさにダイバーシティー(多様性)に富んだ学校だ。

 「今の3年生がIB資格取得の初挑戦になりますが、英国のオックスフォード大学に挑戦する生徒もいますね。10月末に本番の最終試験がスタートしますから、我々も緊張しています」。国際高の荻野勉校長はこう話す。同校の1学年の定員は240人、うちIBコースの定員は25人だが、実際に学ぶ3年生は少数精鋭の19人。今年から欧米やアジアの有力大に挑む。

授業は先生1人に生徒4~5人と手厚い=都立国際高校提供

 IBディプロマ・プログラムは、世界のトップ大学が認める国際的な教育プログラムだ。16~19歳が対象で、所定のカリキュラムを履修して、最終試験を経て一定の成績を収めると、大学入学資格を取得できるという仕組み。英語のほか、フランス語とスペイン語が主な言語だ。海外の有力高校中心に3000校余りが導入。米国のハーバード大学など世界大学ランキングの上位の大学は、いずれもこのプログラムを支持し、最も重要な入学資格の一つとしている。ただ、日本では国際高のほか、私立高校、インターナショナルスクールなど40校程度しか認定されていない。

■IB認定のため校舎を新設

 IB認定校になるのは至難の業だ。単純に英語で授業をすればいいのではなく、授業の設定や、教え方などソフト面と、設備などハード面を抜本的に見直す必要がある。本部のIB機構が要求する教育水準はきわめて高い。国際高の場合、IBに対応した専門教員を集めて海外研修を積み重ね、主にIBの授業を実施する地上3階建ての「第2校舎」まで新設した。

 IB用の科目は、言語と文学、言語習得、個人と社会、科学、数学と選択科目の6科目で、授業はすべて英語で行われる。さらに国内の高校として取得する必要がある、数学1や物理、化学、生物、世界史などの授業も英語だ。国語総合や日本史などを除き、8割強の授業が英語ということになる。しかも「IB機構の求める授業レベルは、理系中心にかなり高度です。特に数学は日本の大学3年生で取得する項目もあり、難易度が高いです」とIB担当の高橋聡副校長は話す。理系科目は米欧の高校に比べて日本のほうが高いという認識だったが、IB認定校はその上をいくようだ。

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