IBコースのため新設した第2校舎

もともとIBコースの生徒はかなり高度な入試を経て国際高に入学している。定員25人(4月入学生徒は20人)のうち5人が外国人枠。日本人の倍率は4倍、外国人は6倍をそれぞれ超えるが、各学年で定員を満たしたことはない。学校側はそれほど厳しく選抜しているわけだ。

東大などもIB資格での入学が可能となるが、「日本の大学希望者はいませんね。もともと国内大学の進路指導はしないと断って生徒を募集しています。スタンフォード大とか、アジアではシンガポール国立大が人気かな」(荻野校長)という。IBコースの生徒から見ると、東大は世界のトップクラスの大学ではない。欧米のトップ大の場合、授業料も高額だし、生活コストもかかるが、成績上位者なら高額の奨学金をもらう道もある。

東大は世界では46位

英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が9月5日に発表した世界大学ランキングによると、東大は46位(前年は39位)で過去最低の順位。上位陣は英米の大学が占め、1位はオックスフォード大、2位はケンブリッジ大、3位はカリフォルニア工科大とスタンフォード大……。アジアの首位は全体で22位のシンガポール国立大だ。シンガポールの国民の多くは英語や中国語に堪能で、グローバル人材の宝庫になっている。日本のトップ大学はアジアでの地位も年々下がっている。

都立国際高校の荻野勉校長

国際高は1989年に誕生した新興の公立高だが、「早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)の私立難関大に生徒数のほぼ3分の1が現役合格する」(荻野校長)という都内有数の進学校だ。大学入試のセンター試験では英語で全国トップに立ったこともあり、大手進学塾は「英語力では全国の高校でもトップクラスに入る」と評価する。

17年は韓国の私立大トップの延世大学に7人合格するなど海外大にも多くの合格者を輩出したが、世界大学ランキング上位校への合格はまだ少なかった。パリ在住の国際高OBは「いま、国際機関に勤めていますが、日本の大学の教育ではなかなか太刀打ちできません。私の時にIBコースがあればよかったのに」と話す。インターナショナル校に通う男子生徒は「東大より欧米の有名大学に通わないと、豊かな人生を送れないと親から言われた」と話す。

国際高IBコースの19人はどんな成果を出すのか。日本のグローバルリーダー人材教育はまだ始まったばかりだ。

(代慶達也)

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