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あえて大手→ベンチャー、私の転職 チャレンジ精神で

2017/9/5 日本経済新聞 朝刊

大手からベンチャー企業に活躍の場を移したプログレス・宮本久美子さん(左)とビットフライヤー・金光碧さん

 大企業での恵まれた条件を捨て、あえてベンチャーでのやりがい、新分野に懸ける女性が目立ってきた。多彩な人脈、様々な経験を生かし、新たなキャリアを積み上げていくチャレンジ精神あふれる女性たちを追った。

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■「何すべき」大手の経験生きる プログレスの宮本久美子さん

 「自分の可能性を広げるチャンスだと思った」。不動産ベンチャーのプログレス(東京・新宿)で働き始めたことを、人事部長の宮本久美子さん(36)は振り返る。大学卒業後、リクルートホールディングス傘下のリクルートジョブズ(東京・中央)に入社。求人広告の獲得や顧客の新規開拓など、8年間営業職として活躍した。そんな宮本さんの転職を後押ししたのは、「自分はもっとできるはず」という強い探究心だった。

「前職で身につけた経験が今も生きている」と語る宮本さん

 前職ではチームのリーダーとして新人の教育を任され、キャリアを重ねた。しかし「パワーを使いすぎて疲弊しないよう、上手に仕事をこなすようになっていた」。入社8年目で慣れが出始めた。

 仕事上の付き合いがあったプログレスの菊田寛康社長に能力を買われ、物事をどんどん進めていくベンチャーのスピード感に魅力を感じた。「前職では上から降りてきた仕事をどうこなすかという『HOW』の部分を考えていた。だけど、現在はどういった意義のある仕事をしていくべきかという、『WHAT』の部分が重要」と話す。

 振り返れば、大企業時代は看板があったため「仕事の成功を自分の実力と勘違いしてしまう」ことがあった。気づいたのは前例踏襲で打った求人広告に、ほとんど人が集まらなかった失敗から。プログレスでは「丹念な調査こそが効果を生む」ことを重視している。だからこそ今では1本の広告を出すたび、通常の2~3倍を上回る応募がくる。

 仕事の質が変わったが、前職で身につけた新人育成の経験は採用に生きている。大企業にいたからこそ「業務の種類や部署の切り分け、人事のやり方などを把握できた」と話す。転職当時、プログレスでは進んでいなかった育児休業制度を整えた。今後も「これは私がやった仕事なんだ」と胸を張れるようにしたい。

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