トラベルライターという職業柄、「飛行機で暮らしているんですか?」と聞かれそうなほど過密なフライト予定も多い小野アムスデン道子さん。少しでも楽に飛ぶ、乗り継ぎ時間を楽しく過ごす、時差ボケに負けない……。飛行機で楽しく旅をするために小野さんが実行していることをご紹介します。
マイレージのサービスを使い倒して快適に
国内でも海外でも、マイレージは飛行機旅ならではの楽しみといえる。さらに、搭乗のストレスを解消するさまざまな優遇サービスが利用できる。簡単におさらいしてみよう。
マイレージは飛行機で飛んだ距離に比例するマイル(昨今は航空券に払った金額で算出するものがほとんど)がたまり、無料航空券や座席のアップグレードなどさまざまな特典を付与する。さらに、飛行距離や搭乗回数が多い上級会員になれば、優先チェックインや優先搭乗、手荷物の個数・重量のサービス、ラウンジの使用、マイレージの加算などさまざまなサービスが受けられる。
特に出張や旅行で飛行機に乗る回数の多い人は、空港ラウンジや優先チェックイン、優先のセキュリティーレーンが使えるのは大きなメリット。筆者自身、時間的にタイトな乗り換えや、空港にギリギリに着いたときなど、これで助かったというケースが多い。
航空会社はアライアンス(航空連合)という提携サービスのグループを作っており、「スカイチーム」「ワンワールド」「スターアライアンス」の3つのアライアンスがある。マイレージ会員には無料でなれるので、まずは会員になり、航空会社かアライアンスで狙いを絞ってマイルをためるのがコツ。どこかの航空会社の上級会員になれば、提携している他の航空会社でも同様の優遇サービスを受けられる。
ワンワールドに所属するJAL、スターアライアンスに所属するANAは、上級会員になるとそれぞれのアライアンスの上級会員向けサービスを受けられるクレジットカードの取得資格が得られる。これらのカードの年会費はそこそこ高いが、飛行機旅の機会が多い人なら持つ価値はあるだろう。
頻繁に乗らなくても上級会員になれるデルタ航空
上級会員になるには、クレジットカードの使用金額でたまるマイルではなく、実際の飛行実績が一定の基準以上であることが必要だ。ただし、スカイチームに所属するデルタ航空だけは「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」というクレジットカードを取得すれば、自動的にゴールドメダリオンという上級会員の資格を取得できる。
デルタ航空はアライアンスに日本の国内航空会社がない分、どの航空会社であっても(LCC=格安航空会社も可能)日本国内の1回のフライトに対して500マイルを付与するというキャンペーンを実施している(上限あり。2018年3月31日までの旅行期間で継続中)。さらに、ためたマイルは最上級会員でなくても無期限に有効、といったメリットもある。
フライト自体が目的 ビジネスクラス以上の至福
飛行機は移動手段ではあるが、ビジネスやファーストクラスともなると豪華な機内とラウンジ、オリジナルのアメニティーなど、フライト自体が目的にもなる。筆者が昨今搭乗したフライトの中からいくつかピックアップしてみよう。
まずは「空飛ぶホテル」と表現される、2階建ての世界最大の旅客機「エアバスA380」。フランスのトゥールーズに本社を置くエアバスが製造し、2005年に初飛行。現在は13の航空会社が採用している。そのうちの1社、エミレーツ航空のビジネスクラスに先日、搭乗した。座席はフラット・ベッド・シートで、棚にはソフトドリンク。アメニティーはブルガリのセット。ファーストとビジネスにはバーカウンターのある機内ラウンジが設置されている。
ファーストクラスはプライベート・スイートと命名された個室空間。シャワースパというシャワー室まである。
