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フード・フラッシュ

パクチー商品大増殖 実は和食、おにぎりも相性よし

2017/8/15

あり得ないコラボが加速
日経トレンディ

パクチーが大ヒットしている。もともと「一部の人だけが強烈に好き」な味だったが、潜在的に持っていた薬味としての万能性から、あらゆるジャンルの食品と融合し、話題が一気に拡散。新規の「パクチスト」が各所で急増している。

2017年5月31日~6月4日に東京都新宿区で開催された「パクチーフェス」(東京クラフトビールマニア主催)には何と約4万人が集結。また、パクチーをふんだんに使った異色のインスタントラーメンは、14年6月の発売から約3年で累計350万食超を売り上げ、今や定番化している。

5月下旬から新宿の歌舞伎町で行われたパクチーフェス。5日間で約300kgのパクチーを消費する盛況ぶり

ブームの火付け役は飲食店だ。タイ料理店でパクチーを追加する「追いパク」が話題を呼び、パクチー料理専門店も続々と開業。これでもかと盛った鍋やパク天(パクチーの天ぷら)など、ファン垂ぜんの料理も誕生した。専門店の先駆けである「パクチーハウス東京」の佐谷恭氏は、「最初は怖いもの見たさで食べていても、次第においしさが認識された。それほど好きでなかった人もハマり、リピーターになっている」と言う。

東京・経堂の「パクチーハウス東京」は専門店の草分け。パクチー山盛りのメニューを多数用意している

この流れを急加速させたのは、SNSでの拡散だ。パクチー山盛りといった度肝を抜く見た目の料理が写真栄えしたのに加え、強烈なアンチがいるなかで、「パクチー好き」をカミングアウトすることが、共感や反論を呼ぶ格好のネタに。芸能人の投稿も相次ぎ、5月に歌手の大原櫻子が「きざみパクチー」(エスビー食品)を持った写真を投稿した直後の週には、同商品の売り上げが前の週に比べて30%近く跳ね上がった。

■あらゆるものと融合を始める

この盛り上がりを受け、メーカー各社も加工食品の開発を加速。前出のラーメンの他、ドレッシングやポテトチップスなど、パクチーがあらゆるものと融合した。フェアを行うなど力を入れるナチュラルローソンでは、パクチーおにぎりまでもが登場。選択肢が広がり、パクチストが以前にも増して大量に消費するようになった。2月に発売したチューブタイプのきざみパクチーが、当初の販売計画の1.5倍を売るヒットとなったエスビー食品の大町政幸氏は、「実は、パクチーは和食とも相性が良く、薬味としては万能」と言う。その意外な使い勝手の良さも、ブレークした背景にある。

加えて、国産パクチーが増産され、一般化したこともブームを後押ししている。国産は栽培法や生育条件の違いによって、東南アジア産と比べて味や香りがマイルド。実際に食べてみると意外にいけるという人も多い。生産量は急増しており、大町氏によれば「これまで生鮮ハーブのなかで最も生産量の多かったバジルを抜く勢い」というほどだ。「需要に供給が追い付かず、パクチーを使った新商品の発売も抑えるほどの状況」(ナチュラルローソンの谷口佳明氏)だという。パクチーを食わず嫌いだった層すら取り込み、ブームはさらに勢いを増している。

需要の増加に合わせ、農家は生産の拡大を進めている。さらに、新たに栽培を検討する農家も増えているという

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2017年8月号の記事を再構成]

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