くらし彩る「インスタ映え」文具 キングジムが新基軸

日経トレンディネット

キングジムは2017年4月18日、新しい文房具ブランド「HITOTOKI(ヒトトキ)」の立ち上げを発表した。「暮らしの中の楽しい“ひととき”を提供したい」というコンセプトがブランド名になっている。

ヒトトキは、これまで「女子文具」というカテゴリーで販売してきた製品群をまとめ、女性だけでなく、生活全体に寄り添う文房具を発売していこうというもの。キングジムの女子文具は2010年発売のマスキングテーププリンター「こはる」から始まり、単にかわいいデザインというだけではない、便利さもあわせ持った文房具としてSNSで紹介されることも多く、インスタグラムに投稿している女性を中心に人気がある。

さまざまなジャンルの記録を手帳やノートに貼り付けて使うふせん「暮らしのキロク」、マスキングテープを短く切っていくつものデザインのテープを持ち運びやすくした「KITTA(キッタ)」、マスキングテープを使ってオリジナルのシールが作れる「マスリエ」、シールやマスキングテープ専用のファイル「オトナのシールコレクション」、ラベルプリンタ「テプラ」を女性向きにデザインした「ガーリーテプラ」、絵文字や文字を組み合わせて手帳用シールが作成できるスケジュールシールプリンター「ひより」。これら6製品に5月19日に発売される新製品のテーププリンター「こはるMP20」を加えた7製品が、当初のラインアップになる。

「暮らしのキロク」(450円)。大ヒットとなった女子文具の一つ。これからは「HITOTOKI」ブランドの製品となる
「KITTA(キッタ)」(320円~)。現在全36種類。爆発的ヒットとなった、あらかじめ切られているマスキングテープだ
スケジュールシールプリンター「ひより」(7400円)。簡単に手帳用のシールが作れる

ブランドを立ち上げることになった背景には、キッタが2016年の発売以来売り上げの累計販売数50万冊を突破、暮らしのキロクが累計35万冊突破、他の製品も売り上げが好調という実績がある。集めたくなる、持っているだけでうれしくなる、使うほどに愛着がわくといった、便利というだけにとどまらない新しい文房具のジャンルが成立するのではないかという読みがあるのだろう。

キングジム商品開発本部の井上彩子氏によると、「現在は、女性向けの製品のみだが、今後、男性向け製品を作る可能性もある」という話だった。実際に現時点でも暮らしのキロクやオトナのシールコレクションは男性にも便利な製品だ。

ブランドのロゴマークは「人と時」「日々と時」を表している。時計のようなマークの枠になっている六角形が日々を、針が人を表し、その全体がときを表す時計になっているわけだ。そこにブランド名のHITOTOKIつまり、人と時が書かれる。現状では、このブランドロゴが入ったパッケージが採用されているのは、今回新しく発売された「こはるMP20」のみだが、ロットの切り替えとともに順次、他の製品にもブランド名やマークを入れていくという。

また、HITOTOKIブランドのユーザープラットフォームとして、公式ホームページとインスタグラム公式アカウントを公開。公式サイトでは、キングジムの生活寄りの文房具がまとめて紹介されているので、従来よりも製品情報が探しやすくなった。また、インスタグラム公式アカウントでは、製品情報だけでなく、使用例、作例なども投稿していくという。

手軽にDIYする楽しさを味わえる

HITOTOKIのコンセプトをはっきりと打ち出すために、キングジムは今回の発表会で、ネームタグや会場の装飾、背景パネルのロゴなどを全て、HITOTOKIの製品を使って作成。来場者に自作のバッジや装飾した鉛筆を配るなど、そこに出席するだけでHITOTOKI製品の実際の使用例や世界観が伝わるように演出した。

会場ではHITOTOKI製品を使ってスタッフが手作りしたボードやカードなどが並んでいた
参加者に配られたバッジも手作り

ブランドの立ち上げと「こはるMP20」の発表の後は、実際に「こはるMP20」やほかのHITOTOKI製品とドライフラワーを組み合わせ、オリジナルのグリーティングカードを作るワークショップが行われた。インスタグラマーを招いてのワークショップは、特別な技術を使わなくても、アイデアとセンスとHITOTOKI製品があれば誰でも楽しめるもの。「こはるMP20」を使って文字をプリントしたマスキングテープを使ってカードにドライフラワーを貼り付けるというアイデアは、立体的でかわいいカードが作れると、参加者にも好評だった。

テープは今回発売されたフィルムテープを使用。ワークショップでは、このようにカードとドライフラワーを組み合わせる
ドライフラワーをプリントしたテープで貼れば完成。手間はかからないが仕上がりはキレイ

ワークショップでも使われた「こはるMP20」は、従来の「こはるMP10」の新型になる。今回、マスキングテープへの印字だけでなく、耐水性、耐久性に優れたフィルムテープへの印字にも対応。フィルムテープは従来機にも使用可能だ。また、フォントは縦長の「スリム」、飾り付きの「スイート」の2書体が新たに搭載され、全7種の文字が使える。ほかに、396種類の記号と絵文字、36種類のフレームも搭載。これらを組み合わせた図柄をマスキングテープやフィルムテープにプリントできる。

今回発表された新製品、テーププリンター「こはるMP20」(6800円)。発売は5月19日。煙突のように見えるのはカットボタン
裏ぶたを開けてテープをセット。単4乾電池4本で動く

北欧の家を模したという外観デザインは、屋根の上の煙突がテープカット用のボタンになっていたり、窓からテープが入っているかをのぞけたり、ドアが電源ボタンになっていたりと、機能とデザインがうまく融合していて棚に飾っていても違和感がない。

フォントや記号にも北欧風のデザインのものが含まれていて、全体に北欧雑貨のテイストが取り入れられているのも、HITOTOKIならではのセンスといえる。縦書きと横書きを選べるのでデザインの幅が広がり、テープの柄を選べば男性も使えるし、暮らしのなかで使うことを考えた場合、思った以上に汎用性のある製品だ。

(文・写真 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2017年4月26日付の記事を再構成]

MONO TRENDY連載記事一覧