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過去に戻りJFK暗殺を阻止 『11.22.63』初登場2位 2017年4月 海外ドラマ月間レンタルランキング

日経エンタテインメント!

2017/5/20

 海外ドラマで最近増えているのが10話程度のミニシリーズ。TSUTAYA月間ランキングで2位に初登場した『11.22.63』も全9話で完結する。ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を阻止するために過去にタイムスリップする男の運命を描くサスペンスドラマだ。スティーブン・キングのベストセラー小説をヒットメーカーのJ.J.エイブラムスが映像化した初顔合わせの話題性に加えて、全話を週末にイッキ見できる手軽さが受けて、40代以上の男性ファンを引きつけヒットしている。

『11.22.63』ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント (c)2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 タイトルの『11.22.63』とは、1963年11月22日のこと。第35代米国大統領ジョン・F・ケネディが、テキサス州ダラス市内をパレード中に銃撃されて死亡するという衝撃的な事件が起こった日だ。その後の調査で、暗殺はリー・H・オズワルドの単独犯とされたが、数多くの疑問点が未解決で、今も様々な憶測や陰謀説がある。そうした謎の真相に、独自の推理で迫ったのがスティーブン・キングが書いた原作小説だった。

 2011年に発表された原作『11/22/63』(文芸春秋)は翻訳書で上下巻1056ページにおよぶ大作。世界中で絶賛され、日本でも「このミステリーがすごい!」で2014年海外編1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で13年海外部門1位など高い評価を受けている。

 映像化の製作総指揮にあたったのはJ.J.エイブラムス。映画『スター・トレック イントゥ・ザ・ダークネス』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の監督・製作やドラマ『LOST』『パーソン・オブ・インタレスト』の製作などで知られるヒットメーカーだ。スティーブン・キングとは初タッグとなる。

 ストーリーはこうだ。高校教師のジェイクは、ある日なじみのダイナーの店主アルに呼び出され、がんに侵された自分に代わって、ある使命を受け継いでほしいと頼まれる。それはアルの店の物置の奥にある、過去に通じている「ウサギの穴」から1960年代にタイムスリップして、ケネディ暗殺を阻止することだった。ケネディが生きていれば、今の時代はもっと良い世の中になっているはず、というのがアルの考えだった。彼の願いを受け入れ、1960年代に戻ったジェイクは、暗殺犯とされるオズワルドの住むダラスに向かう……。

■週末のイッキ見で完結

JFK暗殺以外の過去を変えてはならないと言われたジェイクだが、司書の女性と恋に落ちて、結ばれることを願うようになる……

 過去で何年過ごそうと現在の時間では2分しかたっておらず、暗殺阻止は何度でも挑戦できるが、タイムスリップするたびに過去での出来事はリセットされる。また、過去を変えようとすると、それを拒もうとする恐ろしい力がジェイクに襲いかかるという設定。JFK暗殺とタイムトラベルを組み合わせた、スティーブン・キングらしい奇想天外かつ巧みなストーリーで、見る者を引き込む。

 TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は本作の人気について、「スティーブン・キング原作のJFK暗殺もので、海外ドラマのメインターゲットである40代以上の男性を引きつけるジャンルなのに加え、全9話完結のミニシリーズであることも人気の要因です。長期シリーズだと睡眠時間が減る、見続けなくてはいけないなどを理由に海外ドラマに手を出せない人も多いと聞きますが、全9話だと週末のイッキ見で完結するので、気軽に借りやすいようです」とみている。

『11.22.63』ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 

 最近は『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』(全8話)、『FARGO/ファーゴ』(全10話)、『アメリカン・ホラー・ストーリー』(全12話)のようなミニシリ-ズが増加。その多くに、映画の第一線で活躍しているハリウッドスターが出演しているのも特徴だ。『11.22.63』も、『スパイダーマン』シリーズ、『127時間』のジェームズ・フランコが主演、ダイナーの店主アル役として『アメリカン・ビューティー』『アダプテーション』のオスカー俳優クリス・クーパーが出演している。

 20話を超すフルシ-ズンだと、拘束期間が長期にわたるため映画スターは出演しにくいが、10話程度のミニシリーズならスケジュールを空けやすい。一方、テレビ局の側はスター俳優を起用することで、幅広い視聴者を取り込める。両者のニーズが合致して、映画スターが出演するミニシリーズが増えている事情がある。

 日本でもミニシリーズのリリースが多数控えており、気軽に海外ドラマを楽しみたいファンを取り込んで、新たなヒット作が生まれそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

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