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「部下がいるから成長、臆せず挑戦を」千林紀子さん アサヒカルピスウェルネス社長(折れないキャリア)

2017/4/29 日本経済新聞 朝刊

アサヒグループで女性初の社長として、健康食品の製造販売などを手掛けるアサヒカルピスウェルネスのトップに就いた。「食の未来に貢献し経済的価値も生む、CSV(共有価値の創造)を地で行く企業を目指したい」と意気込む。

千林紀子 早稲田大学卒業後、1990年アサヒビール入社。3月から現職。49歳

「ものづくりの魂がある会社で働きたい」とアサヒビールに入社した。女性総合職の2期生。キャリアには「女性初」がついてきた。初任地の大阪では、初の女性営業。取引先には「女性で大丈夫か」と言われ、あいさつで名刺を投げ捨てられたことも。めげずに毎日通い関係を築いた。

3年半で本社に異動し、女性初の商品開発担当に。一緒に配属になった同期の男性は最初から商品を担当したが、与えられたのは書類作成など庶務のような仕事。「営業ではそれなりにやってきた自負があったのになぜ、と衝撃を受けた」。半年後に担当を任され、悔しさをバネに開発した「アサヒ黒生」が大ヒット。「仕事は自分で提案して取りにいくもの」と学んだ。

スーパードライを担当した30代前半にはブランドマネージャー制導入を上司に提案。自ら務め、看板商品の成長戦略をけん引した。

マーケッターとして自信を深め、自ら提案・行動するスタイルを貫く中で、周囲とあつれきが生じることも増えた。「自分を変えるべきなのか」。葛藤した。

転機は30代半ば。当時業績不振に直面していたアサヒ飲料に出向になり、商品開発部門の課長に。出向先で30人以上の部下を率いる立場となり、「自分一人では何もできない。部下を信じて任せるしかない」と気づく。主要ブランドの立て直しに向け苦楽を共にする中で、個性を認め合うことの大切さを知った。業績はV字回復。「組織の力を生かして商品力を上げる経験を通じ成長できたと思う」

2013年にはホールディングスに出向しM&Aを担当。グループの成長戦略を手掛ける中で、傘下のカルピスが展開する健康食品の通販事業に可能性を見いだす。「投資して伸ばすべきだ」。提案が通り15年から今の会社の設立準備を進め、発足後取締役に。3月に社長に就任した。「設立からやってきた責任がある。しっかり頑張らないと」と気を引き締める。部署や組織を率いる女性が増えてほしいと願う。「部下を持ったから私は成長できた。臆せず挑戦してほしい」

[日本経済新聞朝刊2017年4月24日付]

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