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未来の総支配人 候補の75%が女性、活躍の理由は? ヒルトンの人材育成(上)

2017/4/6

ヒルトン人事業務統括本部長の麻生周治氏(左)とコンラッド大阪で勤務する潮田まや氏

 2020年までに総支配人の30%を女性にする目標を掲げている米ホテル大手のヒルトンが、日本独自のエリート人材育成プログラム「RJET(アールジェット=リージョナル・ジャパニーズ・エレベーター・トレーニー)」で野心的な若者を引きつけている。合格者の75%は女性で、もとは商社やメーカー、航空会社の総合職などを目指していた優秀な人材だ。東京五輪・パラリンピックの開催に向け、インバウンド需要を見越した顧客獲得競争が激しくなるなか、サービスの質を左右する人材獲得競争も激しさを増している。

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 「目指すのは、すごく愛想のいいビジネスパーソン。サービスはもちろん一流でなければなりませんが、頭の中では常に数字がカチカチいっているようなイメージです」と、ヒルトンの人事業務統括本部長で、日本・韓国・ミクロネシア地区を担当している麻生周治氏は言う。

 ホテル経営には人間の情を先読みするサービススキルと同時に、政治・経済を含むデータから先の売り上げを予測し、コストを抑えつつ利益率をあげていくビジネスマインドも要求される。外資系ホテルで出世したければ、語学力は必要不可欠だ。

 ヒルトンは2016年12月現在、全世界に約17万人の従業員を抱え、104カ国・地域で4900軒以上のホテルを展開している。日本に上陸したのは先の東京オリンピックが開催される前年、1963年のこと。これは外資系ホテルとしては最も早く、現在は、日本国内でフランチャイズ1軒を含む3ブランド13軒のホテルを傘下に持つ。2017年夏には大阪に「コンラッド大阪」を、2018年夏以降は、沖縄にも相次いでホテルを開業する予定だ。

■日本人が辞めてしまう現象に悩んでいた

 海外とは異なり新卒一括採用が浸透している日本では、中途採用だけではなかなか優秀な人材を確保できず、ヒルトンも例年、外資系企業としては珍しく100人から150人の新卒を採用し、育成してきた。麻生氏が現在のポジションに就いた9年前には「一定のところまで昇進すると日本人マネジャーの多くが辞めてしまう現象にも悩んでいた」という。

 ヒルトンでは、総支配人に相当するGM(ゼネラルマネジャー)の下に「4D」と呼ばれるオペレーション、セールス、人事、ファイナンスを担当する副総支配人クラスを4人置いている。この4Dがいわば次の総支配人候補となる。当時はこの4D手前で辞めてしまう日本人が多かったのだ。

 「日本人マネジャーの離職率が高かった原因は、会社としての支援が不足していたことにありました。実際にはそうではなくても、『自分たちは日本人だから総支配人以上にはなれない』と思い込んでいる人が多かったのです」(麻生氏)

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