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リーダーのマネジメント論

「副業、アバウトに始めていいじゃない」ロート会長 ロート製薬会長兼CEOの山田邦雄氏

2017/4/4

ロート製薬会長兼CEOの山田邦雄氏

2016年2月、週末に副業を認める「社外チャレンジワーク」、部門の枠を超えて、他部署でも従事する「社内ダブルジョブ」を認めたロート製薬。目薬最大手の老舗企業の「副業公認」は新たな働き方の形として注目を集めた。大企業の約7割のトップは副業容認に否定的といわれるなか、なぜロートは副業を認めたのか。創業家の4代目、ロート製薬会長兼最高経営責任者(CEO)の山田邦雄氏に聞いた。

■きっかけは東日本大震災

――ロート製薬の「社外チャレンジワーク」導入を機に、副業というか、ダブルワークという働き方への関心が一気に高まりました。きっかけは何ですか。

「いくつかある。1つは東日本大震災。6年前に震災が起きてから、様々な支援活動をしてきた。私は阪神大震災のときに倒壊した阪神高速の近くに住んでいた。なんとか家は住めたが、とにかく自分のことで精いっぱいで何もできなかった。あのときもう少し何かできたのに、という反省もあり、縁もゆかりもなかったけれど、東北の支援を決めた」

「現地に入ってもらい、実際にやれることを見つけようと、6人の復興支援専任チームをつくった。そこから震災で親を亡くした子どもに高校卒業後の学業支援をする『みちのく未来基金』も生まれた。現地で活躍する支援団体らとの事業は今も続いている」

――東日本大震災は、製薬業という本業とは一見関係がないようにも見えますが。

「そうでもないでしょう。『美と健康を支える』という我々の仕事は、生活につながっている部分もあるから、遠くはないのじゃないかな。何より、東北で、現地で活躍する若い人たちと会ったことが大きい。(支援活動を通じて)既存の枠組みではできないこと、足りないことが世の中に多くあるということがわかってきた」

「決まった役割のなかで仕事するのが、なんとなくみんな当たり前だと思っているが、本来はそうじゃない。私たちも組織だから、固まったしくみは確かにあるが、ポテンシャルがあるのに力を発揮できてないことも多いのではないかと。それでは新しいことはできないし、もっと自分の意思で仕事をつくるチャレンジをしないと、と社員が考えるようになった」

「もともと、新しい分野への挑戦はロートの1つの文化。もとは目薬と胃腸薬をつくってきた会社だが、化粧品などの新しい分野に参入したり、早くから海外に進出したりしてきた。東北の経験も経て、去年、『我々は何をする会社なのか』『会社の将来を考えよう』といったコーポレートアイデンティティー(CI)を考えた。それが困難にめげず、常識の枠を超えてチャレンジしよう、という意味をこめた『NEVER SAY NEVER』というCIです」

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