「経営者は攻殻機動隊から学べ!」 夏野剛氏編集委員 小林明

■ドコモ時代にiモード開発、夢を語ると干される日本

「89年に原作を読んだときにはインターネット社会の到来を予言する電脳技術やロボット技術を応用した義体技術が盛り込まれていて仰天した。劇場用アニメ映画が公開されると世界がさらに驚いた」と夏野さんは振り返る。NTTドコモ時代に夏野さん自身が世界初の携帯電話向けインターネット接続サービス「iモード」を開発した際、参考にしたのも「攻殻機動隊」だったという。

「日本の大企業では夢やビジョンを語っていると干されてしまうケースが少なくない。経営者はSFや漫画・アニメをバカにして読んでいないから発想が貧困。アップルを設立したスティーブ・ジョブズはSFや映画が大好きだった。そこが日米の力の差。『和をもって貴しとなす』という協調重視の経営も大切だが、驚くような想像力と創造力を生かす経営がもっと必要ではないか」と説く。

■多脚戦車「タチコマ」――育てたキャラが接客サービス、通信型ロボットも

「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」ではどんな技術が具体化に向けて動いているのだろうか?

一部を抜粋して紹介しよう。まずは人工知能を搭載し、自ら思考する多脚戦車「タチコマ」に焦点をあてた技術。

コミュニケーションロボット「タチコマ」(2分の1サイズ)
作品中の多脚戦車「タチコマ」 (C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

各ユーザーがスマホアプリで独自に育てたキャラクターと店頭のコミュニケーションロボット「タチコマ」(2分の1サイズ)を連動し、来店したユーザーを接客させるという研究が進んでいる。昨年末から今年初めにかけて東京と大阪で実証実験した。自分が育てた「タチコマ」と店頭で実際に対面できるという仕組み。ロボット開発会社のkarakuri products(東京・中央)などが取り組んでおり、経済産業省も支援している。

このほか電動による自立歩行、または車輪による走行機能を基本にスマートフォンやインターネットと連携できる8分の1サイズのロボット「タチコマ」の開発も進んでいる。家電ベンチャーのCerevo(東京・文京)が研究に取り組んでおり、今春にも発売する予定だという。

エンタメ!連載記事一覧
注目記事
エンタメ!連載記事一覧