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なぜ新生児名は読めない? 当て字で表記多様に

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

2016年に生まれた赤ちゃんの名前の人気ランキング(明治安田生命保険調べ)が発表された。ランキングを細かく分析すると、ダイナミックな流行の変遷や名付けの新たな法則が浮かび上がってくる。名前の法則から読み解ける興味深い時代や世相の最新の変化を紹介しよう。

初見で迷わずに読めますか? ランキング上位の名前

まずは皆さんにクイズ。次の名前が読めますか?

大翔、悠真、陽翔、悠、陽太――。

いずれも16年生まれの男児の人気上位の名前である。はっきり言って、どんな読み方をするのかあまり見当がつかないのではないだろうか。

たとえば大翔は「ひろと」「やまと」「はると」「まさと」、悠真は「ゆうま」「はるま」「ゆうしん」、陽翔は「はると」「ひなと」「ひゅうが」「ひろと」、悠は「ゆう」「はる」「かなた」、陽太は「ひなた」「ようた」「はるた」などと読み方は多種多様。

男児の名前だけではない。女児のランキング上位の名前でも、たとえば陽菜は「ひな」「はるな」「はな」「ひなた」、結愛は「ゆあ」「ゆいな」「ゆめ」「ゆうあ」などと読み方はかなり多い。

このため、最近は保育園や学校でも、病院や役所でも、子どもの読み方が分からずに苦労するケースが増えているそうだ。かつては名前の読み方でこれほど苦労することはあまり多くなかったはず。

一体、何が起きているのだろうか?

子どもの名付けに新法則、背景にノウハウ本の影響

実は名付けに新しい法則が取り入れられているという。

試しに書店に行くと、赤ちゃんの名付けについてのノウハウ本が書棚に多く並んでいるのに驚く。多くの書籍でよく紹介されているのが(1)好みの音やリズム感でまず名前の読みを決め(2)そこにイメージや願いを込めた漢字を当てはめる――という新しい名付けの法則。

こうすると、同じ読みでも表記がかなり多様化することになる。

たとえば16年生まれの男児の場合(明治安田生命保険調べ)。

「はると」ならば陽翔、晴翔、春翔、陽斗、遥斗、悠人、陽大、悠翔、遥大、陽人、陽仁、陽都、晴斗、大翔、遥人、遥翔、晴登、悠仁、悠斗、陽登など、「ゆうと」ならば悠人、悠斗、悠翔、優斗、悠仁、優翔、結人、佑斗、勇人、悠登、裕翔、勇翔、祐人などと、それぞれ50種類以上もの表記が使われている。

音から読みを決め、好みの「当て字」を当てはめる

同じ読みでも表記に異なる漢字を使うことで、他人とは一味違う個性を演出しようというわけ。

特に表記に「当て字」が認められていることが、こうした傾向に拍車をかけている。

「当て字」は漢字の読みが自由に決められるので、表記を見ただけでは簡単に読み方が分からない名前がどんどん増える。特に人気の高い漢字は集中しているから、悠人、悠仁、悠斗、悠翔など「はると」とも「ゆうと」とも読めるような名前が増えてしまい、混乱する場面がしばしば起きる可能性も出てくるのだ。

最近、読めない名前が増えている背景にはこんな事情がある。

では、16年生まれの男児の名前の読みの人気ランキング(明治安田生命保険)を見てみよう。漢字の表記の人気ランキングとかなりの乖離(かいり)があることに気がつく。同じ読みの名前でも表記方法が異なり、同じ表記の名前でも読み方が異なる。ノウハウ本で紹介した名付けの法則が、表記と読みのランキング結果に大きなズレを生じさせているわけだ。

ランキング上位の名前、好みの音を組み合わせて命名

この法則をさらに分析すると、人気の高い名前の読みが生まれる興味深いメカニズムも見えてくる。

単純化して言えば、「はる」「そう」「ゆう」「こう」「しょう」「りょう」などの末尾に「と」「き」「た」「ま」「せい」「すけ」などを付け加えた名前が圧倒的に多い。

2000年以降の人気の高い読みのランキング上位10位を見ると、「はると」「ゆうと」「そうた」「はるき」「そうすけ」「ゆうま」などとこの法則に沿った名前がずらりと並んでいるのが分かる。つまり、音の組み合わせで読みを決め、そこに漢字を当てはめるという名付け法が影響しているのだ。

このほか、「りく」「れん」「はる」などの短い読みが増えているのも最近の新たな傾向。愛称のように短くて呼びやすく、親しみがわくような名前の人気が高い。ランキングを分析するとこんな世相の変化も見えてくる。

首位の顔ぶれはどうか?

16年生まれの男児名の読みで最も人気が高かったのは「はると」で8年連続首位。「はると」「そうた」「ゆうと」のご三家の人気がほぼ安定して上位を独占している。

「ゆうき」→「ゆうと」→「はると」という人気の変遷も読み取れる。長年、首位に君臨した「ゆうき」は今やトップ10圏外に消えてしまい、一方の「ゆうと」は2000年以降、根強い人気を維持。「そうた」も加えて、上位を争う「三つどもえ」の状態が続いているようだ。

現在は「大翔・蓮」の黄金時代、「大輝」→「大翔」

最後に漢字表記の名前の人気ランキングを見ておこう。

表は16年生まれの男児の名前人気首位の変遷である。トップは前年に続いて「大翔」。2005年に初めて首位に立って以来、変動はあるものの4位以内で推移。ここ10年ほど「蓮」とともに黄金時代を保持しており、「大翔・蓮」時代の真っただ中にあるといえる。

「大翔」が初めてトップ10入りを果たしたのは03年(3位)。それまで、しばしば首位に立ってきた「大輝」の勢いを「大翔」が引き継いだ格好だ。

名前などの流行のサイクルはほぼ10年とされる。

「大」という雄大なイメージの漢字に「翔」という未来に飛躍するイメージの漢字を組み合わせた名前に人気がシフトした。それを裏付けるように、首位の常連だった「大輝」は04年以降、勢いが急速に衰え、トップ10圏外に落ちることが目立つようになった。

流行は10年サイクル、「1字名」回帰・性差ない名前

「1字名」が大きく増えたことも16年生まれの男児の名前の特徴。

トップ10(上位9位・11個)中で「蓮」「樹」「悠」「湊」「新」「葵」の6つまでが「1字名」で1969年以降では最多タイ。戦前・戦中から1960年代まで男児名は圧倒的に「1字名」が多かったので「1字名」への回帰現象が起きているように見える。

ちなみに上位10位がすべて「1字名」であった年は1930年代生まれだと6回、50年代生まれだと9回もあった。その後「2字名」が主流になったので、「1字名」の方が新鮮なイメージを感じる名前になったためと考えられる。

男女でともに人気が高い名前がトップ10入りしたのも今回の特徴。

それが「葵」。16年生まれの男児の人気ランキングでは9位、女児の人気ランキングでは1位に食い込んだ。性差の垣根が徐々に薄れている「ノージェンダー」「ジェンダーレス」という社会現象に沿った流行といえるかもしれない。

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