さまぁ~ずも驚嘆 お笑い配信番組は「なんでもあり」
テレビ界の人気者さまぁ~ずとあびる優が出演しているネット配信番組が、8年目を迎える長寿人気番組となっている。定額制映像配信サービス「dTV」で配信中の『トゥルルさまぁ~ず』だ。人気の理由は、地上波ではとてもできない「なんでもあり」の企画の数々。ケガやNGワードも恐れないという無法地帯ぶりを、当のさまぁ~ずが面白がって取り組んでいる様子が、視聴者の共感を呼んでいる。
『トゥルルさまぁ~ず』は、09年にスタートした、毎週月曜更新の5~7分のバラエティー番組。2017年1月9日で配信回数500回を迎え、ケータイ向けとして始まったお笑い番組で最長寿だ。収録DVDもこれまで20タイトル発売され、過去には20以上の地方のテレビ局でも放送されている。
番組は、視聴者から寄せられた「楽しいこと」や「気持ちいいこと」を、出演者が実践するもの。例えば、「タクシーの運転席のレースのカバーを着るとかわいい」など(写真)、みんなで遊べるゲームや面白ネタが毎回紹介される。「ソファーに座って進行するだけだと、小さな画面では静止画のように見える恐れもあるが、投稿を実践することで、動きがある番組になっています」(番組プロデューサーのエイベックス・鈴木健太郎氏)。体を張った企画や、ゲームに負けた際の罰ゲームなどもあり、さまぁ~ずやあびる優がとまどう一幕も楽しみどころ。出演者は、この長寿番組にどう取り組んできたのか。
大竹 この番組のウリは、地上波ではできないことをやることです。
三村 射的の銃を体に向けて打ったり、いけないことをやる(笑)。
あびる ヘルメットをかぶらないと危ないゲームとか、ちょっとしたケガはこれまで何度かありましたね(笑)。
三村 「殺す気か!」とスタッフともめたこともあった(笑)。
大竹 かんしゃく玉をコーヒーミルで挽いてみるとか、鼻の奥までソーセージを突っ込んで象のマネするとか。スタッフが、「これやっちゃダメだろ」っていうことをわざとやる。
あびる 体に何重にも浮き輪をつけて、坂を転がるゲームとかも。
大竹 オレは絶対、この番組ではケガしたくないんです。ケガするなら視聴率20%のゴールデンで(笑)。
三村 出てねぇよ(笑)。
どのゲームもぶっつけ本番
あびる どのゲームもぶっつけ本番で、練習とかも無いんですよ。
大竹 体を張るやつは、どれもオレは本気のNGなのに、この2人が嫌がらないから。
三村 深く考えてない……。
大竹 で、ひどいバツゲームが奇跡的にオレに当たっちゃう。
三村 しびれ系とか、鼻の穴系のバツゲームは、ゴネて、なかなかやろうとしないよね。
大竹 当たり前でしょ。20代のスタッフでOKだからって、50近くの俺たちに試すなっていう(笑)。
あびる 最初の頃は、私も大竹さんも独身で、子どももいなくて、何でもやりましたね。
大竹 三村さんの下ネタがひどくて、地上波では絶対NGのスケベなことをあびるに平気で言ってた。
あびる 最初、ケータイで番組が流れるっていう仕組みがよく分かってなくて、街でファンの方に「見てます」って声を掛けられるようになったときに、「どの回を見たんだろう」って、ドキドキした…。故郷のおばあちゃんが見ませんようにって(笑)。
三村 オレは「誰も見てない」という前提でやってます(笑)。ネットは視聴率がないので、視聴者の期待感とかも感じたことがない。だから、つい、言っちゃいけないことも言っちゃう(笑)。
あびる 三村さんの発言があまりにもひどくて、親子で見ると、ドキドキする回もありますよ。
大竹 家族でテレビのロードショー番組見てて、急にベッドシーンが出てきて、気まずくなるみたいな。三村さんは、昔のテレビにあったヒヤヒヤ感が好きなんです。
三村 小さいころ、家族でドリフ見てて、お風呂のシーンで女性の裸が出てくると、父親がお腹一杯なのに、「おかわりもらおうかな」って言うみたいな(笑)。でも、シモ系の挑戦ネタとかは、普段出来ないから、楽しんでやってる感もある。新しく出るDVDの特典にも「本当に見せて大丈夫?」っていうネタが入ってますので、楽しみにしてください。その一方で、投稿ネタをやってみて、結果、まったくウケなくて、スタジオが変な雰囲気になっちゃう回もある。でもそれも含めて、この番組の面白いところですね。
500回分のネタの宝庫
大竹 どれか1つでも見てもらえば、きっと「やってみたい」と思うものがあるはず。500回分のネタを簡単に検索して選べるアプリとかにすればいいのに。
三村 そんなの作ったら、うちの中学2年生の息子が見ちゃうな(汗)。
大竹 DVDで見る時は、「何で鼻やんの!? バカじゃねぇの!?」とか、「るーしーがスゲェじゃねぇかよ!」とか、見出しで選んだらいいんじゃないかな。
三村 副題でね。
あびる ネットなら定額見放題だから、1回目から一気に見ると、最初の張り切っていたころから、いろんな変化があって面白いかも。
大竹 過去にあびるもいろいろあって、生意気そうとか、きつそうと思われているかもしれないけど、この番組を見ると、あびる優の、何でもやってみる姿勢とか、すごく素直でいいところが分かるかもしれませんね。
あびる この8年、毎回、アナウンサーの気持ちで進行してきました。
三村 時々、難しい漢字が出てきちゃうとあれだけどね(笑)。
(日経エンタテインメント! 白倉資大)
[日経エンタテインメント! 2017年2月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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