「ABCDE理論」による考え方の例
A(出来事)
上司に提出した報告書のミスを指摘された。
   ↓
B(受け止め方)/ IB
上司は些細なミスでもすぐに指摘する。これくらいのミスは誰にでもあることなのに、私ばかり注意を受けているような気がする。
   ↓
C(結果)
自分ばかり注意する上司に対して怒りを覚え、「私を嫌っているのではないか」と不安にもなる。
   ↓
D(反論、自問自答)
上司は本当に私のミスばかり指摘しているだろうか。ミスがあれば、ほかの人でも同じように指摘しているのではないか。私がミスを指摘されるのは、それだけ不注意なミスが多いせいかもしれない。
   ↓
E(効果や影響)
上司からミスについての注意は受けるが、私の仕事の能力や人格そのものを否定されるような叱り方はされていない。まずは不注意によるミスをなくすように努力してみよう。

ABCDE理論は時折、ネガティブなことをすべてポジティブに反転していくものだと思われることがありますが、決してそうではありません。どのように捉えてみてもポジティブになれないときは、前向きにあきらめるように受けとめる場合もあるでしょう。ABCDE理論はあくまでも、事実を客観的に俯瞰(ふかん)し、それまで一面的だった受け止め方を、多面的に捉えていくための手法なのです。

ABCDE理論を活用して物事を多面的に捉えるようになるために、読者の皆さんにお勧めしたいのは、日記をつけることです。私も「メンタフダイアリー」というABCDE理論を応用した日記のフォーマットを考案していますので、後編では、そのフォーマットに沿って日記の書き方を紹介しましょう。

■この人に聞きました
渡部 卓(わたなべ たかし)さん
 帝京平成大学現代ライフ学部教授、ライフバランスマネジメント研究所代表、産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ。1979年早稲田大学卒業。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBAを取得。複数の企業勤務を経て、2003年会社設立。職場のメンタルヘルス対策、ワークライフコーチングの第一人者として活動する。著書に「折れない心をつくる シンプルな習慣」(日本経済新聞社)など。

(ライター 田村 知子)

[日経Gooday 2017年1月16日付記事を再構成]

「日経Gooday 30+」の記事一覧はこちら

医療・健康に関する確かな情報をお届けする有料会員制WEBマガジン!

『日経Gooday』(日本経済新聞社、日経BP社)は、医療・健康に関する確かな情報を「WEBマガジン」でお届けするほか、電話1本で体の不安にお答えする「電話相談24」や信頼できる名医・専門家をご紹介するサービス「ベストドクターズ(R)」も提供。無料でお読みいただける記事やコラムもたくさんご用意しております!ぜひ、お気軽にサイトにお越しください。