孫さんを落とした! 家電VB女性社長、渾身のプレゼンUPQ最高経営責任者 中沢優子氏(下)

私が会社員だった当時、携帯端末を外部工場に生産委託するなら100万台クラスの発注をかけないと無意味だ、と言われていたんです。それが2015年、香港の展示会に行ってみたら、どこの工場も「1色あたり5000台から1万台で作れるよ」と言う。日本向けの特殊なものではなく、世界共通のものでいいなら「3000台から受けられる」と言われました。

あえて「等身大の自分」を出す。

どうしてこんなに状況が大きく変わったのか最初のうちはわからなかったのですが、詳しい人に聞くと、要するに彼らがかつて手がけていた製品の生産拠点がもう中国から東南アジアへ移ってしまったんだ、と。だから彼らも大量生産のビジネスモデルから、少ないオーダーで信頼性の高い製品をつくっていくビジネスモデルへと転換している最中なんだ、と。

それをきっかけに、携帯端末がそんなに小さなロットから製造できるのならば、ほかの製品も同じくらい小ロットで開発、生産できるだろうと思って始めたのがUPQなんです。

もちろん失敗もあります。昨秋には弊社のスマートフォン(スマホ)が焼損する事故がありましたが、ただちに消費者庁に報告し、なるべく早く原因究明ができるようにと、現在も関係各所の協力を仰ぎながら動いているところです。通常、このような事故の原因究明には半年から2年程度かかるといわれていますが、最短で解決できるよう、メゲずに行動し続けています。

会社を立ち上げ、会社の「顔」になると決めた時から、どう転んでも女だし、文系出身だし、30歳になったといっても「若い」と言われ、「本当にものづくりのことがわかっているのか?」と言われることも覚悟していました。だから、あえて「等身大の自分」を出していったほうがおもしろいと思い、取材いただく時も着飾らず、髪の毛も洋服もふだん通りで出ています。

製品発表会の時だけはなるべくきれい目の格好をしていますが、倉庫で作業していることも多いため、たいていはTシャツにジーパンなどのラフな服装。ついさっきまで椅子で寝ていて、起きて、ちょと髪の毛だけ整えて出てきた、みたいな時もあるんです。

中沢優子氏(なかざわ・ゆうこ)
1984年東京都生まれ。2007年中央大学経済学部卒、カシオ計算機入社、携帯電話やスマートフォンの商品企画を担当。会社の携帯事業撤退をきっかけに12年、退社してフリーランス。大手メーカーの商品企画を請け負いながら、13年にカフェをオープン。15年7月、自社工場を持たない家電ベンチャー、UPQを設立。

(ライター 曲沼美恵)

前回掲載「分娩台から仕事の電話 「1人VB」社長は肝っ玉母さん」では、出産の当日まで奮闘する「1家電ベンチャー」社長の日々を語ってもらいました。

「キャリアの原点」は原則木曜日に掲載します。

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