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iPhoneが睡眠分析 新OSの健康機能に驚いた

日経トレンディネット

2016/10/23

日経トレンディネット

iPhoneの新OS「iOS 10」には、規則正しく快適な睡眠を得るための「ベッドタイム機能」が搭載された。いったいどんな仕組みで眠りに導いてくれるのだろうか。iOS 10を約1カ月間試して分かったベッドタイム機能の使いどころを紹介しよう。

ベッドタイム機能を設定するには、「時計」アプリを起動する。画面下部中央にベッドタイムという新しいタブが追加されているのが分かる。初めてタップすると、設定アシスタントが起動するので、画面のメッセージに従っていくだけで、ベッドタイム機能を設定できる。

アシスタントで設定できるのは以下の5項目だ。

(1)起床する時刻
(2)アラームをオフにする曜日を選択
(3)睡眠時間
(4)就寝時刻のリマインドをいつ受け取るか
(5)起床時のアラームサウンド

一見、既存の機能を組み合わせただけのもので、正直言って「たったこれだけ?」という印象だ。だが、これで数日使ってみると、ベッドタイム機能がただモノではないことがわかってきた。

■睡眠に対する意識が変わる

ベッドタイム機能は次のような動きをする。

就寝時刻が事前に通知機能でリマインドされ、就寝の準備が促される。また、起床時刻には専用のアラーム音で目覚められる。これによって、決まった時間に眠り、必要な睡眠時間を取るように習慣付けてくれる。

「時計」アプリの「ベットタイム」タブを、初めて表示すると設定アシスタントが起動する。メッセージに従って起床時刻や必要な睡眠時間などを設定していくと、ベットタイム機能を設定できる
アシスタントでの設定が終わると、次からは「ベッドタイム」タブを表示するとこの画面になる。アシスタントで設定した項目は、すべてこの画面から変更できる

就寝時刻が近づくと、通知機能で教えてくれる。自分に合うリマインド時間を見つけよう

同じくiPhoneに搭載されている「ヘルスケア」アプリの睡眠画面から見られる短い動画には、次のような言葉が表示される。「1日の残り時間に眠るのではなく、自分の睡眠時間を守りましょう」

仕事がたまっていたり、やりたいことがたくさんあったりすると、つい夜更かししてしまう。これに対してベッドタイム機能は、眠りに対する意識改革を促し、適切な睡眠時間を取れるようにする機能なのだ。

ヘルスケアアプリで睡眠の画面を開くと、睡眠に関する40秒ほどの動画を見れる。ベッドタイム機能の目指すところがよく分かる。使う前に見ておくことをおすすめする
通常のアラームとは異なるベッドタイム機能専用のアラーム画面。サウンドも専用で、心地よく起きられそうなものが多い

■「音が鳴らないアラーム」が作れる

iPhoneの通常のアラームは、マナーモード(サイレントモードをオン)にしていても、音が鳴る仕様だ。バイブレーションだけで目覚めたい場合は、無音のサウンドをiPhoneに読み込んで設定するなどのテクニックを使わなければならなかった。

一方、ベッドタイム機能のアラーム音「目覚ましサウンド」には、9つの専用サウンドが搭載されているのだが、「なし」も選択できる。「バイブレーション」だけを選択しておけばバイブレーションのみで音が鳴らないアラームを設定できる。

アラーム音を変更するには、ベッドタイム画面の「オプション」をタップして表示される上の画面で「目覚ましサウンド」をタップする
ベッドタイム機能専用の9つのサウンドの他に「なし」を選択できる。バイブレーションだけ設定しておけば、サウンドなしのアラームも可能だ

■眠りを分析してくれる

ベッドタイム機能には、iPhoneに標準搭載されているヘルスケアに読み込まれた睡眠データと連動して、睡眠を分析する機能がある。ヘルスケアで睡眠データを得るには、睡眠状況をトラッキング(追跡)できるアプリ、またはアクティビティートラッカー(活動量計)が必要だ。

筆者は、以前から睡眠をトラッキングできるアクティビティートラッカー「Jawbone UP2」と、そのデータをiPhoneに取り込むアプリ「UP」を使用している。UPアプリはヘルスケアと連携しているので、そのままベッドタイム機能の睡眠分析にも利用できた。

iPhoneの加速度センサーや内蔵マイクなどを使って、iPhone本体だけで睡眠をトラッキングするタイプのアプリを使ってもよいだろう。ヘルスケアの睡眠分析画面を開くと、アプリがいくつか紹介されている。

決めた就寝時刻に眠り、起床時間に起きていれば、トラッキングされた毎日の睡眠が、ベッドタイム画面の「睡眠分析」で示される就寝時間から起床時間のエリアの中に入る。

ベッドタイムの設定アシスタント最後の画面で「毎日同じ時刻に就寝と起床をして、睡眠履歴のバーの位置を正しく保ちましょう」と表示される。睡眠分析のバーが上の画像のようになるのが理想

■「乱れた眠り」にショック

ベッドタイム機能を使い始めて数日。可視化された自分の毎日の睡眠を見て、その乱れっぷりにショックを受けた。設定した就寝時間と起床時間の間に睡眠を示すバーが、まったく入らないのだ。

仕事が重なって、ろくに睡眠を取れない日が続いたり、少しの合間に仮眠したりといった時期だったせいもある。しかし、客観的にデータを見せられると「これではいけない」と感じ、就寝時刻と起床時刻を意識するように気持ちを切り替えた。

ベッドタイム機能を使って1カ月近く経過すると、睡眠を示すバーがようやく良い位置に集まり始めた。

「1日の残り時間に眠る」という考えを改めて1カ月近く。就寝時刻と起床時刻の間に、まったく収まっていなかった睡眠時間が、ようやく入るようになってきた
iPhoneの標準機能では、睡眠のトラッキングはサポートされていない。ヘルスケアの睡眠分析画面を開くと、睡眠をトラッキングできるアプリが紹介されている

■生活リズムが不規則な人に

良い眠りを得るための機能として、iPhone 5s以降のiPhoneでは「Night Shift」モードが利用できる(iOS 9.3からの機能)。オンにすると画面の色が落ち着いた暖色系の色になり、睡眠のリズムに悪影響を与えるブルーライトを低減させる。

それに比べると、ベッドタイム機能は一見地味な機能のように思えた。しかし、睡眠に対する意識を改革し、生活スタイルを見直すきっかけとなった。

ベッドタイム機能の通知やアラームは、それだけでも便利な機能だ。ただし就寝時刻と起床時刻はひと組しか設定できず、曜日ごとのオン/オフしかない。勤務時間が不規則だったり、不定期に夜勤があったりすると使いにくいかもしれない。

そういう場合は、通知とアラームをオフにしておき、睡眠分析機能のみを使ってもよいと思う。一度、自分の睡眠を可視化して客観的に見れば、得ることは多いのではないだろうか。

ベッドタイム機能はすべてのiPhoneユーザーにおすすめ。なかでも睡眠分析機能は、生活のリズムが不規則になりがちな人におすすめしたい。

(ライター 伊藤朝輝)

[日経トレンディネット 2016年10月8日付の記事を再構成]

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