自撮りもドローンにお任せ DJIが折りたたみ機種
個人向けのドローンが各社から続々と登場した。ユーザーの合図を認識して自分撮りを実行する機能を設けたり、オモチャの弾を発射したり軽いものを持ち上げて飛行するユニークな機能を持たせたりするなど、付加機能を加えたのが特徴。「単に飛ばすだけにとどまらない楽しみが味わえる」という点を訴求し、新しい趣味の道具や「空飛ぶカメラ」としての普及を狙う。
合図をすればドローンが自分撮り、DJI「Mavic Pro」
世界最大のドローンメーカーとして知られる中国DJIが発表したのが、一般向けドローンの新製品「Mavic Pro」(実売価格は税込み12万円前後)だ。現行のホビー向けモデル「Phantom」シリーズからデザインを一新し、本体の重量を約0.7kgと軽く抑えた(200gを超えるので、都市部など人口密集地での飛行は許可がなければできない)。アームを折りたたむと500mlのペットボトル程度の大きさになり、コンパクトにして持ち運べる。
先端部にスタビライザー(ぶれ補正装置)付きのカメラを搭載しており、揺れやぶれを抑えた撮影ができる。カメラで注目できるのが、ドローンによる自分撮り機能だ。飛行中のドローンに向かって両手でフレーミングをするポーズを取ると、3秒後に写真を自動で撮影してくれる。三脚や自撮り棒を使うことなく、背後の広大な風景を入れながら自分撮りができるので、旅行や登山などのレジャーで使われるようになるかもしれない。
指定した被写体を自動で追跡しながら動画を撮影するトラッキング機能も搭載する。人物やクルマなどを指定すると、画像認識により対象物を把握し、常に中心に収めて撮影しながら飛行する。被写体の横を併走するように撮影したり、回りながら撮影することも可能。撮影中は自動制御なのでドローンを操作する必要はなく、進行方向に障害物がある場合は衝突する前に自動停止するので安心して使える。
ドローンが小物を運ぶ、パロット「Parrot Mambo」
小型ドローンを得意とする仏パロットが発表したのが、手のひらサイズの「Parrot Mambo」(希望小売価格は1万5000円、2016年10月発売予定)だ。付属のユニットを交換することで、遠隔操作で小型の弾を発射したり、菓子などの軽いものをつかんで運ぶことができる。最大重量はわずか4gなので、本格的に何かものを運搬することはできないが、メッセージカードなどを持ってくるなどの用途で楽しく使えそうだ。カメラは底面に内蔵するが、画素数は約30万画素とオマケ程度にとどまる。
「Parrot Swing」(希望小売価格は1万7000円、2016年10月発売予定)は、ユニークな形状を採用する4枚羽根のクアッドコプター。プロペラを上にした状態で離陸し、水平飛行する際は翼を横に傾けて高速で飛び回れる。
いずれも重量は63~73gと、日本国内で許可申請なく飛行できる200g未満に抑えることで、場所の制約なく飛行できるようにした。
(日経トレンディネット 磯修)
[日経トレンディネット 2016年10月4日付の記事を再構成]
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