妻に内緒の預金、ヒヤヒヤしています
女優、ミムラ
妻に内緒の預金口座があり、いつバレるかヒヤヒヤしています。何か使い道を決めているわけではないのですが、妻に知らせたくなく、ただヒヤヒヤしているのです。(兵庫県・50代・男性)
共働きが増え、夫婦でも別会計というやり方が珍しくない昨今ですが、こういう悩みはやっぱりあるのですね。
夫婦の間で隠し事は禁物とはいえ、別会計ならパートナーをあまり意識せずにお金を使えるのは確かで、ヒヤヒヤすることはない。我が家では夫婦共同の口座と別に、それぞれが個人口座を持ち、年に何度か2人で確認しあい、この先のやりくりを話し合っています。
対して、相談者さんの家計は奥様が一手に管理しているご様子。その状況下で作った秘密口座、いわゆるヘソクリですね。まさにお宝。秘密にしておきたい気持ちはよくわかりますよ。
ただし、相談者さんがヒヤヒヤしている状況では、ヘソクリは遠からずバレて、奥様の怒りを買うでしょう。バレ方は(1)自主的にバラす(2)意図せずバレる(3)なんとなく口座の存在を匂わせ、奥様が気づく――の3パターン。実は相手の秘密の金遣いなどが原因で最初の結婚が大破した私としては、圧倒的に(1)がおすすめです。でも相談者さんは「知らせたくない」。ならば(3)ですが難易度は高い。下手を打てば(2)となり、破局につながりかねない。どうしましょう。
解決策は一つ。バレたときは潔くヘソクリをあきらめる。そして奥様の怒りを吹き飛ばす威力をもった言い訳を用意しておくことです。たとえば「バレちゃった? 残念。君といつか世界一周クルーズをしようと思ってためていたんだけど……」などというのはいかがですか。
うそでいいのです。本意ではない言い訳を用意すれば、相談者さんはそうさせまいと懸命に隠蔽工作をする。それだけであなたの心は大きな満足を得るはずです。ヘソクリの使い道を決めていないあなたは、使うことより隠すことに充実感を得ていると思われます。バレたらパー! その緊張感を楽しめばよいではありませんか。
1人の妻として補足していえば、あなたの行為を奥様は気づいているかも、と思います。女の勘は鋭い。ヘソクリなどとっくに見通して、放置している可能性は高いですよ。
それに秘密があるのはあなただけではありません。ヘソクリがバレた途端、奥様から質と量ともに想像を超す秘密を打ち明けられるかもしれない。そのとき、あなたは耐えられますか。
うーむ、そう考えると夫婦の間で何かを隠すってすごく大変。だからこそ相談者さんは隠し事にとりつかれているのでしょう。でも、心の労力を考えると言ってしまうのが一番楽ですよ。やっぱり白状しちゃいませんか(笑)。奥様を失えば、あなたを魅了する秘密が楽しめなくなることはお忘れなく。
[日経プラスワン2016年11月12日付]
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