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秘湯、露天も人気 外国人が愛する日本の温泉 インバウンドサイト発 日本発見旅

2016/10/13

自然のなかの露天風呂は外国人にも人気が高い。乳頭温泉郷「鶴の湯」(秋田県) (写真:japan-guide.com)

秋も深まってきて、温泉が恋しい季節になりましたね。

私が住んでいる群馬県は日本でも有数の温泉地。中でも草津温泉は、温泉番付で江戸時代から東のトップに君臨する県民自慢の温泉です。

そして夫のステファン・シャウエッカーは、知る人ぞ知る“温泉大好き外国人”。温泉文化を丸ごと愛している彼は、「ジャパンガイド」のサイト内でもONSEN紹介に力を入れ、温泉の楽しみ方や入り方のマナー、旅館での過ごし方などを丁寧にレクチャーしています。

近年は彼のように温泉好きな外国人が増えてきましたし、全国の温泉地でも必ず外国人客の姿を見かけるようになりました。

しかし、彼らは日本の温泉を本当に楽しめているのでしょうか? ほかの人と一緒に入るのは大丈夫なのか、お湯は熱すぎないのか、いろいろ気になります。そこでジャパンガイドのユーザーの声などを調査してみました。

■一番人気は、日本情緒あふれる温泉街と宿

ひとくちに温泉といっても、いろいろなタイプがあります。大きく分けると、外国語のガイドブックにも必ず紹介されているような有名温泉、人里離れたところにあり昔ながらの良さを残す秘湯系温泉、スパ施設などを備えた欧風のリゾート系温泉、などになります。

有名温泉の代表格、草津温泉。硫黄の香りに包まれる湯畑周辺は外国人観光客の散策姿も多い (写真:japan-guide.com)

総じて有名温泉は外国人にも人気ですが、その理由には外国語での情報が多いことやアクセスが良いことなどが挙げられます。大きな温泉地のなかには外国語のウェブサイトが充実しているところが多く、安心して出かけられるのが一つの決め手でしょう。

人里離れた秘湯に行ってみたいという外国人は多い。法師温泉(群馬県)の一軒宿、長寿館 (写真:japan-guide.com)

実は、欧米からの旅行者には、秘湯に行ってみたいという人が少なくありません。しかし、人里離れたところにある温泉地ほど外国語が通じにくいために、外国人の訪問が困難なことが多いのは残念です。

代わりに彼らが選ぶのは、有名温泉でも特に日本情緒あふれる街づくりをしている温泉地です。浴衣にげたで散策できるようなところ、例えば黒川温泉(熊本県)、城崎温泉(兵庫県)、草津温泉、銀山温泉(山形県)などです。そして宿泊には、鉄筋コンクリートの大型ホテルタイプより、木造など日本の伝統的な建築様式の宿を好みます。

歴史ある温泉街の風景が美しい銀山温泉(山形県)。浴衣姿で夜のそぞろ歩きを楽しむ外国人の姿も (写真:japan-guide.com)

アジアからの旅行者も同様で、日本らしさを感じられる温泉街&宿というのがとても重要なポイントになっています。その意味で、欧米風リゾートのイメージが強いリゾート系温泉は、まだそれほど利用されてはいないようです。

■日本の温泉、初めて入るときは緊張しています

さて、日本の温泉は、入る時にいろいろマナーがありますが、それらについてはどう思われているのでしょうか?

実は私たちが想像する以上に、外国人の皆さんはマナーを気にしているのだそうです。ジャパンガイドのクエスチョン・フォーラムに寄せられる温泉に関する質問で、目立って多いのは入る時のマナーについて。「エチケット違反をしたくないから」という人が大多数で、日本の温泉初体験の時にはかなり緊張するそうです。しかも、人前で裸になるのもほぼ初めての人が多く、二重に緊張するのだとか。体験者である夫の話にも実感がこもっていました。

豊富な湯量、安定した泉質と温度から屋内の大浴場が好きという外国人も。展望風呂や複数の浴槽があるタイプも人気 (写真:japan-guide.com)

実際に温泉に入ってみて、マナーの問題がクリアできると、2度目からは本当に温泉を楽しめるようになるそうです。お湯の熱さにも慣れてきますし、裸になるのもそれほど気にならなくなるとか。露天風呂では周りの自然や景観を楽しむ余裕も出てきます。

しっかり勉強している外国の人から見ると、日本人でもこれはダメだろうと思われるマナーの人がいるそうです。いちばん目につくのは、最初に入るときにかけ湯をしない人。年配の人にも若い人にも多いそうです。私たちももう一度温泉マナーを確認し、気をつけなければいけませんね。

■気になるタトゥーの問題、対策講じる人も

さて、外国人の中にはタトゥーを入れている人が少なくありません。かたや日本の温浴施設は「入れ墨の人お断り」のところが多いのはご存じの通り。これについて外国の人たちは、どう思っているのでしょうか。

実際、このためにちょっとしたトラブルになった例がクエスチョン・フォーラムに投稿されていました。日本語の貼り紙の意味が分からず温泉を利用していた外国人が、突然、施設の人から「出てください」と言われて驚いたというものです。多少の憤りもあって報告してきたようです。

入れ墨お断りに関しては、いろいろな意見があります。歴史的背景もあり仕方がないと思う、と肯定的に受け止めている人も多いのですが、一方、そのような事情を理解せず、差別だという人もいます。

タトゥーを入れているが何とか温泉に入りたい、という人はステッカーなどで隠したり、貸し切り風呂がある宿泊施設を探すなど、それぞれ対策を講じているようです。

外国人に一番人気なのは、何といっても露天風呂。これからの季節、紅葉を眺めながら温泉につかっていると、心身ともにあたたまり癒やされていくのが分かりますよね。外国人観光客の皆さんとも、そんな温泉体験をシェアしていけたらいいなと思います。

シャウエッカー光代(シャウエッカー・みつよ)
ジャパンガイド(株)取締役。群馬県生まれ。海外旅行情報誌の編集者を経て、フリーの旅行ライターとなり、取材などで訪れた国は約30カ国。1994年バンクーバーに留学。クラスメートとしてスイス人のステファン・シャウエッカーと出会い、98年に結婚。2003年、2人で日本に移住。夫の個人事業だった、日本を紹介する英語のウェブサイト「japan-guide.com」を07年にジャパンガイド株式会社として法人化。All About国際結婚ガイド、夫の著書『外国人が選んだ日本百景』(講談社+α新書)『外国人だけが知っている美しい日本』(大和書房)などの編集にも協力。

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