テレビ番組満足度 ドラマ1位は『真田丸』、2位は…

本当に視聴者の心をつかんでいる番組は何か。「視聴率」は放送時間にテレビで見られた率を示すが、今回は、スマホなどテレビ以外も含み、放送翌日までに視聴した「接触数」と、そこで見て面白かったかを5段階評価する「満足度」を集計、満足度の平均値を出したものから、人気番組を探った(調査はデータニュース。1都6県、20代から70代までの男女3000人を対象)。まずはドラマから、ランキングで見ていこう。

『真田丸』が1位、2位は『そして、誰も』

真田丸(NHK総合/日・20時)

クールごとに視聴率の行方が注目される連続ドラマ。7月期および対象期間に放送中の作品では、コミカルでテンポのよい三谷幸喜脚本が評判のNHK大河『真田丸』が1位になった。接触数もNo.1だった。大河ドラマの固定客だけでなく、新たな視聴者層を取り込めていることが分かる。

2位は、サスペンス作品の『そして、誰もいなくなった』だった。7月期のドラマではトップの満足度となる。3位には『仰げば尊し』が入った。荒れた高校の問題児たちが、元音楽家の教師の熱い指導で吹奏楽に取り組む、実話を元にした物語。「青春ものはいくつになっても胸打たれる」(女性54歳)と、感動的なストーリーに心を動かされている人が多いようだ。

『そして、誰もいなくなった』『僕のヤバイ妻』『ナオミとカナコ』など、サスペンスの満足度が高い。また、視聴率では苦戦しているフジ系の作品が多数上位に入った

4位と5位にはお仕事ドラマが入った。4位の『HOPE~期待ゼロの新入社員~』は、「社会の厳しさがうまく描かれている」(女性43歳)と、リアリティーのある内容が高く評価されている。一方、5位の『家売るオンナ』では、「北川景子の無機質な演技が最高」(女性58歳)と、主人公であるやり手の営業ウーマンの個性にハマる人が続出している。

ドラマは話数を重ねるごとに、その作品を好む人が視聴し続けるため、満足度は後々高まる傾向にある。7月期の作品の満足度はまだ伸びるだろう。分布図を見ると、すでにドラマ枠として定着している『仰げば尊し』(TBS日曜21時)、『家売るオンナ』(日テレ水曜22時)のほうが、ドラマ枠となって日が浅い『そして、誰もいなくなった』(日テレ日曜22時30分)、『HOPE』(フジ日曜21時)よりも接触数が多い。新設組も枠が周知されて接触数が増えれば、より作品人気に説得力が出る。

『ヤバイ妻』が現状トップ

1月期と4月期の作品では、4月期の『僕のヤバイ妻』の満足度が最も高かった。「木村佳乃が本当に怖かった」(女性32歳)と、振り切れた演技が支持された。

次点は、4月期作品で視聴率でも成功した『99.9-刑事専門弁護士-』、次いで『世界一難しい恋』という順当な結果に。ただし全体を見ると、『ヤバイ妻』を含めて、視聴率では“今ひとつ”と言われた作品も高満足度を得ている。4月期の『重版出来!』や、1月期の『お義父さんと呼ばせて』『ナオミとカナコ』などは、『世界一難しい恋』に迫る勢いだった。

ドラマは録画視聴する人も多く、視聴率が低迷していても、ファンが離れているとは言い切れない。視聴率だけで作品の持つ力を判断することは、やはり難しくなってきていると言えるだろう。

【研究】『そして、誰もいなくなった』 見た人をザワつかせる展開で成功

Huluにて全話配信中 (c) NTV

順風満帆な人生だった主人公・藤堂新一が、個人情報をデータ化した“パーソナル・ナンバー”を乗っ取られる。新一になりすました同姓同名のその男が逮捕されたことにより、一気に新一の人生が壊れていく。7月クールで放送されている連ドラの中で、最も満足度が高かったこの作品。日テレの鈴木亜希乃プロデューサーは、「オンエア中のSNSの反応でも、オリジナル作品だけに、次に何が起こるのか予測が立てられない展開を楽しんでくださっているなと実感しています」と話す。

制作にあたっては、1話ずつテーマを定めて、最後にクライマックスがくるというような従来のドラマ制作の鉄則にこだわらず、物語のスピード感を大切にした。主要登場人物だった新一の大学時代の仲間であるはるか(ミムラ)と斉藤(今野浩喜)が第3話、4話で死んでしまうなど、驚くような出来事を次々に起こし、視聴者を混乱させることをあえて狙っている。

ヒントは海外ドラマ

新一が突然、白い迷宮のような別世界に連れ出されたりと、奇想天外なシーンもある。脚本の秦建日子とは、海外ドラマのような作品を目指したいと話し合った。「今回は、最初から最後まで綿密に打ち合わせをしたというよりは、まずは自由な発想でと、ある程度お任せしました。秦さんも、こちらの期待をいかに裏切るか、簡単には想像できないものをとかなり意識されたと思います」。リアリティーが重視される日本のドラマとしては、違和感を感じる人もいるかもしれないが、「固定観念から抜け出すことで、作品を好きになってくれた方をザワつかせられればいいなと」。

現実離れした特殊な話でも、納得感を持って見てもらえるように、演技に力強さのある藤原竜也を主演に起用した。追い詰められて叫ぶ緊迫感のあるシーンなど、藤原の俳優としての力量が表れ、見ごたえにつながっている。

調査概要
対象期間は1月1日~8月7日。地上波全局、19時~23時台にスタートする番組で集計。接触数(視聴者数)が少なすぎると満足度は高くなる傾向があるため、接触数50人以上の番組を対象とした。データニュースが運営するテレビウォッチャー調べ。http://tv-watcher.jp/
視聴率はビデオリサーチ関東地区調べ。平均視聴率はビデオリサーチ関東地区のデータを基に日経エンタテインメント!編集部で作成。小数点2位以下は四捨五入。放送時間拡大などによる加重平均はしていない。

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2016年10月号の記事を再構成]

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