MONO TRENDY

モノ・フラッシュ

個性が光るコンパクトカー ルノー・トゥインゴ

日経トレンディネット

2016/9/13

日経トレンディネット

 ルノー・ジャポンはコンパクトカー「トゥインゴ」の3代目を2016年9月15日に発売する。価格は189万~199万円。2014年のジュネーブモーターショーで初披露されたモデルで、それまでのFF(前エンジン前輪駆動)からRR(後エンジン後輪駆動)に駆動方式が変わったことも話題だ。

 欧州車ではフォルクスワーゲン「up!」、メルセデス「smart forfour」などと同クラスのAセグメントに属する。日本車ではトヨタ「パッソ」やダイハツ「ブーン」などがほぼ同クラスに当たるが、軽自動車というカテゴリーがある日本では、軽自動車とコンパクトカーの両方がライバルになる。

■往年の名車「サンク」を思わせるデザイン

 ルノーが採用する最新のデザインコンセプト「サイクル・オブ・ライフ」に沿った愛らしいコンパクトなスタイルを持つ新型トゥインゴ。往年のルノーのハッチバック型コンパクト「5(サンク)」や、初代トゥインゴのモチーフも取り入れているという。


 Aセグメントに属するボディーサイズは、全長3620×全高1545×全幅1650mm(トヨタのパッソは全長3650×全高1525×全幅1665mm)で、全車5ドア仕様の4人乗りだが、後席ドアハンドルを窓枠に入れ込んで、一見3ドアにも見えるデザインに仕上げている。

 リアハッチは、後部ガラスとゲートが一体となったブラック仕上げのガラス製となり、スポーティーに仕上げられている。そのシルエットは、往年のコンパクトモデルであるサンクを彷彿させる。カラーはイエローやホワイトなど全6色が用意され、電動式キャンバストップ付きルーフも選べる。



■ホイールベースが125mm長くなり足元スペースは136mmに

 インテリアは明るく楽しい雰囲気を目指したというポップなデザインで、外装色に合わせたブルー(青)、ルージュ(赤)、ブラン(白)と内装色も3色用意。またホイールベースが先代より125mm長く2490mmとなっているおかげで室内が広くなり、後席のニールーム(後席シートのひざ元の空間)はクラス最高の136mmとなった。


 ラゲッジスペースは、4名乗車時には後席スペース優先で174L、ラゲッジ優先だと219Lまで調整できる。また後席を倒せば980Lまで拡大でき、さらに助手席側のフロントシートをたためば、最長2200mmの荷物も積載可能だ。

■小回りが利き、最小回転半径は4.3m

 後輪を駆動するパワートレインは、ラゲッジルーム下に収められており、スタンダード仕様で0.9L直列3気筒DOHCターボに、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の6速エフィシエント デュアル クラッチ(EDC)を組み合わせる。最高出力は90ps/5500rpm、最大トルク135Nm/2500rpmだが、車重が約1000kgなのでパワーとしては十分だろう。アイドリングストップやバッテリー回生機能なども備え、カタログ燃費性能も21.7km/Lと優秀だ。また車体が小さいうえにRR方式にしたことで小回りが利くようになり、最小回転半径は、4.3mと公表されている。

■価格はスマートforFourよりトゥインゴのほうが安い

 トゥインゴはフランス生まれのユニークなコンパクトカーだが、3代目はドイツのメルセデス・ベンツと共同開発を行っているため、smartシリーズと基本的なパーツを共有している。この点は、フランス車ファンの間で賛否がありそうだが、味付けにしても、内外装のデザインにしても独自性があり、両車のキャラクターは大きく異なる。使い方も違うし、さらに価格はsmart forfourよりトゥインゴのほうが安いため、日本でも互いの顧客がバッティングすることはなさそうだ。


■積載能力の高いコンパクトカーや軽自動車と戦えるか

 ルノー・ジャポンは発売記念限定車「トゥインゴ5S(トゥインゴ サンクS)」と「パックスポール」を各50台ずつ設定。どちらも予約受け付け開始と同時に完売したという。特に5Sはカタログモデルとは異なる、1.0L直列3気筒DOHCエンジンに5速MTを組み合わせた車好きが好む仕様なうえに、価格も169万円とカタログモデルより20万円も安かったとあれば人気にも納得だ。一方のパックスポールは2015年の東京モーターショーでも展示され、好評だったスポーティーなアイテムを備えた仕様で、フランス車らしい一台とあって待ち望んでいたファンが飛びついたと見られる。

 限定車は好調だったが、カタログモデルはどうなるのか。装備差はあっても、姉妹車であるメルセデスのsmartや、自社のルーテシアのエントリーモデルより価格を抑えている点からは、ルノーの本気度がうかがえる。

 とはいえ軽自動車やコンパクトカーが強い日本で、Aセグメントのクルマを売り出すのは難しい。コンパクトの主流はホンダ「フィット」や日産「ノート」など積載能力の高いモデルだからだ。実際、VWのup!も出だしは良かったものの、その後は鳴かず飛ばずの感がある。

 ただ近年の軽自動車は実用性だけでなく、個性で選ばれるようになってきてはいる。ダウンサイズ指向だが、軽自動車には抵抗があるというユーザーも多いだけに、アピール次第で一定数のユーザーは確保できそうだ。

(文・写真/大音安弘)

[日経トレンディネット 2016年8月24日付の記事を再構成]

MONO TRENDY新着記事

ALL CHANNEL