カーエアコン技術を応用 日本酒やワインの酸化防ぐ
開栓した日本酒を後日飲んでみたら、味が変わっていた……。そんな経験をしたことがある人は多いだろう。"犯人"は空気中の酸素。しっかりと栓をしても瓶に入った酸素が酒を酸化し、味を変えてしまうのだ。
それを防げるのが、車載機器メーカーのデンソーが開発した「酒セーバー」。瓶内を真空化することで残った酒の酸化を抑制する製品だ。同社が持っているカーエアコンのバルブや燃料ポンプ、ウォッシャーポンプなどの技術が活用されている。
真空化する手順は簡単。専用栓を瓶に差し込んで本体を載せるとポンプが始動。真空化は約40秒で完了し、本体を外せば瓶が密封される。
実はデンソーは、冷凍車などに使われている冷却技術を応用したワインセラーを、1999年から展開している。その販促の目的で14年に発売されたのが、酒セーバーの"前身"ともなる「ワインセーバー」。当初から日本酒への対応を期待する声が大きく、翌15年12月に外装や専用栓を改良した「酒セーバー」として発売したのだ。
酒セーバーとワインセーバーに付属する専用栓(2個)は、日本酒(四合瓶)とワインの両方に対応している。現状は公式ショップでの通信販売がメインだが、東急ハンズや百貨店、酒販店などにも販路を広げつつある。日本酒にもワインにも使える酒セーバーは、新しい"酒の友"として広まりそうだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。