印象がアップ! すぐ使える「気配りメール」文例集
仕事上のやり取りに欠かせないメール。でも自分では気づかないうちに、失礼な言い方や要領を得ない文面になっている可能性も。メールの書き方のポイントと、今すぐ使える文例を紹介します。
【CASE1】打ち合わせの日程調整を依頼する
NG例:依頼内容が具体的でなく、返事を後回しにされそうなメール
こう変えればOK!
(1)冒頭の挨拶で相手の心をつかむ
メールの書き出しの定番フレーズを丁寧に言い換えるだけで、印象アップ間違いなし。
[言い換え例]
・おはようございます。いつもお世話になっております。
・1週間のスタートですね。いつもお世話になっております。
・(初めての人には) はじめまして。
(2)日程調整は具体的な候補を出して
相手の意向を尋ねつつ、日程を選択してもらうようにするだけで、スムーズに決まるのでおすすめ。
[言い換え例]
・○月○日(月)、△日(水)、×日(金)、いずれかの日にお願いできるとありがたいです。
(3)返信期限を提示する
返事の締め切りをあらかじめ伝えておくことで、無駄なメールのやり取りを減らす。
[言い換え例]
・○月○日(金)までにご連絡いただけると幸いです。メールにて恐縮ですが、お願い申し上げます。
・恐れ入りますが、○月○日(金)の正午までにご返信のほど、お願い申し上げます。
【CASE2 資料送付の御礼】
NG例:素っ気なさ過ぎて微妙に失礼なメール
こう変えればOK!
(1)用件を推測させて開封率アップ
漠然とした件名では開封してもらえない恐れも。20字以内を目安に、内容を具体的に示して。
[言い換え例]
・会議資料送付の御礼
・「○日の会議資料」送付の御礼
(2)決まり文句に一言添えれば好印象
一言加えるだけで、何への御礼かが明確になり、印象もアップする文面に変わる。
[言い換え例]
・お忙しいところ、さっそくお送りいただき、ありがとうございました。
・さっそくのご送付、感謝いたします。
(3)御礼メールは具体的かつ丁寧に
具体的な内容を盛り込めば、相手に親切な印象を与えることができる。
[言い換え例]
・本日、○日の会議資料を確かに受け取りました。
(4)結びの言葉こそ丁寧に
定番フレーズの「取り急ぎ」だけだと、目上の人には失礼な印象を与えるので注意。
[言い換え例]
・取り急ぎ、御礼とご報告まで。
・取り急ぎ、御礼申し上げます。
・18日の会議でお目にかかれるのを楽しみにしています。
【CASE3 遅刻したことのお詫び】
NG例:何のお詫びか分かりにくく、誠意が伝わらないメール
こう変えればOK!
(1)お詫びも件名を具体的&丁寧に
「お詫び」だけだと迷惑メールに間違われる可能性も。最初から丁寧に書こう。
[言い換え例]
・○月○日のお詫び
・先日の遅刻についてのお詫び
(2)謝罪に加え、今後について一言
今後の対応について一言触れることで、誠意や反省していることがきちんと伝わる。
[言い換え例]
・二度とこのようなことのないよう、厳重に注意いたします。
(遅刻以上に、深刻なケースのときはこう言い換えて)
・申し開きのできないことです。今後このようなことのないよう、十分、注意いたします。
【CASE4 問い合わせへの返答】
NG例:定型フォーマットのままに見え、誠意を感じにくいメール
こう変えればOK!
(1)「了解」は目上の人に使わない
「了解」は便利だが、目上の人には失礼に当たる。「承りました」と言い換えるのがマナー。
[言い換え例]
・ご質問の件、確かに承りました。
・このたびは、○○の件でお問い合わせいただきまして、誠にありがとうございます。
(2)具体的な対応策を盛り込む
返答を待たせるのだから、できるだけ具体的な日付を入れるか、いつもより丁寧な文面に。
[言い換え例]
・返答までに○日ほど要します。分かり次第、連絡をいたします。
・状況が分かりましたら、改めてご連絡を差し上げます。
【CASE5 誘いを断る】
NG例:お誘いへの感謝や申し訳ない気持ちが伝わらないメール
こう変えればOK!
(1)誘われて迷惑? と思わせない
事情を伝えるだけでなく、一言、気持ちを伝えるだけで誤解を避けることができる。
[言い換え例]
・誠に残念なのですが、出張と重なり、都合がつかず、参加できません。
・不本意ながら、出張と重なり、参加できません。
(2)締めの言葉は丁寧度を一段アップ
メールで断るときはニュアンスが伝わりにくいので、丁寧さは普段よりアップして。
[言い換え例]
・お誘いいただき、ありがとうございました。メールにてお詫びかたがた、ご返事まで。
・せっかくお誘いいただきながら、なにとぞご容赦くださいますようお願いいたします。
この人に聞きました
杉山美奈子さん
文筆業とともに長年、大学などでコミュニケーションの取り方を教える。監修を務めたベストセラー『暮らしの絵本話し方のマナーとコツ』(学研プラス)など著書多数。
[日経ウーマン 2016年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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